決勝は意外な"初対戦"
[7月8日午前4時@ダーバン]
決勝はオランダ対スペインに決まりました。31日間、64試合に及ぶ南アフリカW杯も、残すところ3位決定戦と決勝の2試合のみ。僕は3位決定戦は取材できないので、個人的にはいよいよラスト1試合となりました。
3位決定戦は10日で、決勝は11日。別の日なのに、なぜ3位決定戦の取材ができないのかというと、飛行機がないからです。3位決定戦はポートエリザベス、決勝はヨハネスブルクで行われますが、当日のポートエリザベス―ヨハネスブルク便が満席なのです。
W杯の取材申請がFIFAに通った今年1月の時点で飛行機やホテルの手配などを始めたのですが、その時点ですでに便はいっぱい。大会が始まれば増便されるかもしれないと期待していたのですが、今のところ、そんな気配もありません。
実は今日、ケープタウンからダーバンに移動してくるときも、ケープタウン―ダーバンの直行便が満席だったため、一度ヨハネスブルクに戻ってから国内線を乗り継ぐ形でダーバンまで移動してきました。
直行便があれば1時間で着くところが、半日かけての大移動。それでも僕は幸運なほうで、今日の試合開始には十分間に合う時間の便でした。しかし、報道陣やサポーターの中には、到着が試合開始のギリギリになったり、間に合わなかったりした人もいたようです。南アフリカの飛行機はすぐに遅延やキャンセルになるので、なおさらです。
基本的には飛行機しか移動手段のない開催都市間にもかかわらず、絶対的に便が少ないというのは、現地で取材や観戦する人にとって致命的です。まして6、7日の準決勝、10日の3位決定戦、11日の決勝は日程的に1日1試合しかなく、多数の報道陣やサポーターが駆け付けようとするのは大会スケジュールが決まった時点で予想できたはず。結果的に、このような状況になってしまったのは残念です。
ところで、決勝がオランダ対スペインという対戦カードに決まり、「どんな試合になるのだろう?」と想像がつかなかった人もいたのではないでしょうか。僕もそのひとりで、今日の準決勝が終わった時点で真っ先に頭に浮かんだのが「オランダとスペインがW杯で対戦するのっていつ以来だろう?」ということでした。
記憶にないのも当然でした。実はこの2チーム、W杯では今回が初対戦になるのです。欧州選手権でも対戦経験はありません。83年の欧州選手権予選では対戦していますが、それ以外はすべて親善試合で、過去8試合の戦績はオランダの4勝1分3敗。最後に対戦したのは02年3月27日の親善試合で、このときはオランダが1-0で勝っています。
実に8年ぶりの対戦が、ともに初優勝を懸けたW杯決勝という大舞台。互いに攻撃が魅力の両チームの対決なだけに、今から試合が待ち遠しいですね。
(文 西山紘平)
