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南アフリカW杯便り

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南アW杯の意外?な名場面

[7月10日午前1時@ヨハネスブルク]

 W杯決勝まで、いよいよあと2日となりました。今日はMVP候補選手の発表会見があったのですが、会場の壁には今大会の数々の名場面を描いた絵画が早くも展示されていました。

 カメルーン戦で先制点を決めた本田圭佑が控え選手の輪に飛び込んでいる光景や、アメリカのドノバンがアルジェリア戦で後半ロスタイムに劇的な決勝点を決めたシーン、さらには準決勝で先制点を決めたスペインのプジョルにチームメイトが抱き付いている場面など、さまざまな歓喜のシーンが描かれている中、唯一、“ゴールを守った”シーンの絵がありました。ただし、それはGKによるスーパーセーブではなく…。

 準々決勝のガーナ対ウルグアイ。1-1で迎えた延長後半ロスタイム、アディアーが無人のゴールに放ったヘディングシュートをスアレスがゴールライン上で両手でパンチングした、あの場面です。

 当然、スアレスは一発退場となり、ガーナにPKが与えられましたが、ギャンがまさかのPK失敗に終わり、結局、PK戦の末、ウルグアイが準決勝進出を決めました。

 チームを救う“ビッグセーブ”で、母国では「英雄」として称賛された一方、他国からは厳しい非難も浴びたスアレス。とにもかくにも、このプレーが全世界的に大きな話題を呼び、人々に強烈なインパクトを残したのは確かです。だからこそ、数多くの得点シーンと並んで、この「スアレスのハンド」が絵になっていたのだと思います。

 ちなみに絵画のタイトルは「THE SACRIFICE(犠牲)」でした。文字通り自らを犠牲にしてチームを準決勝に導いたスアレス。チームは準決勝で敗れましたが、明日は3位決定戦があります。幸いスアレスの出場停止も1試合で済み、3位決定戦には先発するはずです。一時は“終わった”と思っていたはずのW杯。あのハンドの続きとなる3位決定戦で、今度はストライカーらしくゴールを決めてもらいたいですね。

<写真>スアレスがハンドを犯したシーンを描いた絵画

(文 西山紘平)

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