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直伝 澤穂希 in USA

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日本の強みの技術とは

みなさん、こんにちは!先日南アフリカワールドカップが終わりましたが、見られましたか?日本代表の試合は見ていて感動しました!

ワールドカップ前は4連敗などしていて、どうかな、と不安にもなりましたが、やってくれました。私は見ていて阿部(勇樹)選手の存在が大きかったと思います。それまで失点を招くことを多かったスペースに阿部選手が入ったことで、うまく穴を埋めてくれました。

攻撃に関しても、1トップに入った本田(圭佑)選手が、背が高く、強い相手にも見事に渡り合ってくれたことで得点の予感を感じさせてくれました。とにかく、見ていておもしろかったです!

改めてサッカーってメンタルの要素が大きいと思いました。ひとつのきっかけでチームが団結するということがあるんですよね。

そうそう、ワシントンではアメリカ代表の試合で超盛り上がってました。決勝トーナメント1回戦(アメリカ1<延長>2ガーナ)の時は、私たちも試合があったんです。なのに出発時間をずらしてまでみんな観戦していて、肝心の試合に集中できないくらいの状況で(笑)。困ったものです。

南アフリカワールドカップは、世界のサッカーを見るいい機会になったかと思います。私も今、ワシントンで世界の女子サッカーを感じる毎日を過ごしています。身体能力の高さに驚かされる一方、「これは世界に誇れる日本の長所だ」と思う部分も確かにあるんです。
今回はその中のひとつ、「ていねいさ」についてお話します。

ワシントン・フリーダムで練習していてよく感じるのは、「次のプレーにいくための技術は日本の選手の強みだな」ということ。具体的に言うと、“どれだけ周りを見ているか”とか“トラップしたボールをどの位置に置くか”“パスを相手のどの位置に出すか”、といったことです。

パッと見ただけではわかりにくいかもしれませんが、次のプレーに合わせた場所にボールを止めたり、蹴ることで「正確で速い連動プレー」が可能になります。

アメリカの選手に代表されるような高い身体能力を持つ選手は、その力にものをいわせてなんとかしようとしてしまうんです。だから練習を見ていても、私からするとボール扱いが雑に感じられます。なでしこ(ジャパン)や(日テレ)ベレーザの練習の方が、「ていねい」に感じられるのです。
実際の試合でも、この「ていねいさ」があれば、不必要にボールを奪われたりすることもなく、攻撃を組み立てることができます。世界との身体能力の差を補ってあまりある武器といえるでしょう。

ではどういう練習をすればこの「ていねいさ」が身につくのか?その具体的な練習法を次回お伝えしたいと思います!

▼関連リンク
澤選手自身が女子サッカーのすべてを説き明かした自著『直伝 澤穂希』

※本コラムは隔週更新予定です。このコラムの感想や澤選手への質問はこちらまでお寄せください。

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