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バルサ仲本の「うちなー蹴人紀行」

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初めまして! 沖縄サッカーの“今”をお届けします!!!

 みなさん初めまして、こんにちは。バルサ仲本といいます。本名は仲本兼進です。琉球放送ラジオで制作に携わりながら毎週金曜日、スポーツワイド番組「スポーツフォーカル」のサッカーコーナーに出演、またFC琉球のテレビ中継の際はピッチリポーターの仕事をしています。

 今回、ゲキサカでコラムをやらせていただくことになりました。テーマは、題名にもあるように、「うちなー=沖縄」、「蹴人=けりんちゅう」、これは造語ですが、つまり沖縄のサッカーです。

 サッカー以外にもビーチサッカーやバスケットボール、野球など、沖縄はたくさんのスポーツが盛んです。それらの話題をみなさんにお届けできればと思います。ちなみに、ニックネームの「バルサ」の通り、バルセロニスタです。みなさんこれから、よろしくお願いいたします。


 今回は先日行われた「第5回全国ビーチサッカー大会」について、お届けします。

 例年、沖縄の10月の平均気温は27度前後。本土に比べるとまだまだ暑さが残るものの、夜になると秋の涼しさも感じられ、だいぶ過ごしやすくなってきた。ただこの日の気温、33度。いささか暑すぎやしないかおてんとさまよ……思わず愚痴る。

 でも、輝くあなたの顔、みんなどれだけ見たかったことか。

 10月16・17日の二日間、宜野湾市で「第5回全国ビーチサッカー大会」が開催された。日本サッカー協会が主催するこの大会、年々規模も拡大し、今年は全国9つのブロック全52チームが地区予選を戦い、勝ち残った11チームと開催地枠のソーマ・プライアを含めた12チームが本選出場を果たした。

 ちなみに昨年は台風の接近で大会が中止。この日のために犠牲を払い、夢を懸けてきた選手たちにとってあまりにもショッキングな出来事だった。隠すことなく一様に無念さをにじませ、涙を流す選手もいた。そして今年、太陽はまるで罪滅ぼしをするかのように砂地に光をあて続けた。

 2年分の思いを背負った選手たちの心に火をつけるかのごとく。

 気候、会場とも最高のコンディションで行われた今回、大会の知名度が増したことと、日本代表の選考会も兼ねている事からハイレベルなプレーが続出。ラモス瑠偉代表監督もレベルの高さに満足した様子だった。

 そんな中、決勝に駒を進めたのは、王者として君臨する東京レキオスFCと地元ソーマ・プライア。過去の大会すべてにおいてこの2チームが決勝に進んでいることから、本命同士の対戦となった。

 オスマールと後藤を軸にし、予選リーグでは総得点22点と他を圧倒したレキオス。一方、抜群のチームワークで安定した戦いを見せるソーマ。両チームあわせて11人の日本代表選手が集う決勝戦、大入り満員となった。

 各12分、第3ピリオド制で行われるビーチサッカー。序盤は個人技に勝るレキオスがオスマールを中心に積極的に攻撃、シュートの雨を浴びせる。しかし日本代表GK照喜名が再三のファインセーブでゴールを死守、場内を沸かせる。

 試合が動いたのは第2ピリオド5分、ソーマの新垣が意表をつくロングシュートで先制点を奪うと、第3ピリオド開始直後の1分、上原が追加点。4分後にはレキオスの後藤が大会得点王を確実とするゴールを奪い1点差に詰め寄るものの、その直後、ソーマ新垣がビーチサッカー特有とも言えるセンターからのキックオフゴールを決め駄目押し。ソーマ・プライアが念願の王座奪還を果たした。

 なお、過去の大会すべてにおいて沖縄で開催された全国大会、来年からはビーチサッカー普及のため全国各地で行われることとなっている。

 ソーマの選手にとっては地元優勝を成し遂げる最後のチャンスだったわけで、全試合を通して気合がみなぎっていた。沖縄で大勢のサポーターと喜びを分かち合うために-。まさに感動の1ページでした。

 こんなすばらしい瞬間に立ち会えて、ますます沖縄のサッカー、スポーツを全国のみなさんにお届けしたくなりました。今後もよろしくお願いいたします。

<写真>ソーマ・プライアの選手たち。左から當間正人、浅見和正、新垣隆。當間の弟はU21代表の當間建文(鹿島)

(文 バルサ仲本)

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