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Jを目指せ! by 木次成夫

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278回 JFL後期15節 松本山雅対ツエーゲン金沢
by 木次成夫

今季、JFLで対戦全試合がTV中継されるのは山雅だけです。地元のCATV(テレビ松本)がホームは生放送、アウェーは録画放送しています。有料放送ですが、視聴契約している飲食店もあるので、その気になれば、TVで試合を見ながら仲間と“打ち上げ”も可能。いわば『地産地消』。クラブの人気高揚、地域活性化など様々な相乗効果もあると思います。

≪JFLのTV放映権料例≫
地上波=生放送:最低20万円
地上波=録画放送:最低16万円

CATV=生放送:最低8万円
CATV=録画放送:最低6万円

JFLのTV放映はTV局がホーム・クラブと交渉する規定になっています。そして、放映権料の80パーセントはホーム・クラブ、20パーセントはJFLへ。つまり、アウェー試合放映は、対戦相手の収入になります。また、再放送は同一シーズン中であれば何回でも『プラス料金0円』。言い方を変えると、例えば、今季の試合を来季に放映する場合は、別途料金が派生します。

この放映権料を安いとみるか、高いと見るか? TV放映がないチームのファン(サポーター)は、例えば、カンパを集めてTV局にアプローチするのもアリだと思いますが、いかがでしょう? 少なくとも松本でTV観戦する人たちは楽しそうですし、新たな出会いや交流もあります。もちろん、サッカーの理解度も高まります。例えば、「勝ったけど内容は良くない」とか、「改めて見ると、XXのプレーが地味だけど効いていた」とか――。

●11月13日 JFL後期15節
松本山雅 2-0 ツエーゲン金沢

後期14節終了時点で、山雅は6位(勝ち点44)でツエーゲンは4位(同45)。前期1節から6節のソニー仙台戦はリーグ順位に計算されないため、首位SAGAWAと山雅、佐川印刷の3チームは事実上『残り5試合』で、他チームは『同6試合』。つまり、山雅はJリーグ参入条件クリア(4位以内)が至難な状況に陥っていました。

[得点経過]
33分 1-0(得点:MF木島徹也)
*左サイド深い位置でボールをキープした木島がMF大島正博とのパス交換から巧みにシュート。

75分 2-0(得点:FW船山貴之)
*大橋が左サイドからクロス→FW塩沢勝吾がポストプレーで落として→船山が豪快にシュート

[試合総括]
山雅は公式記録では4-4-2フォーメーションながら、実質的にCF=片山真人、右=船山貴之、左=木島徹也の3トップ。この3人にMF大橋ら後方の選手が良い形で“からめた”ことが勝因です。クサビになったりスペースを作ったり献身的に動く片山を軸にピッチを広く使うことで、ツエーゲンの守備陣を分散。船山と木島はアタックとキープを適切に判断して、後方からの攻撃参加を誘発。結果として、チーム全体的に前線のスペースを効果的に利用できました。

≪シュート本数≫
山雅15本(前半7本、後半8本)、ツエーゲン8本(各4本)

対するツエーゲンは序盤から組織的かつスピーディなサッカーを展開したものの、先制された後は“まるで別のチームのように”失速。中盤と守備陣が間延びし、ボールをキープした選手以外へのマークは遅れがち。その上、攻守の切り替えも遅く、カウンター攻撃を何度も仕掛けられる始末。高い位置でボールを奪ってスピーディに攻撃を仕掛ける際の『強さ』と、相手ペースになった際の『脆さ』。良い時と悪い時のギャップが大きすぎるという印象です。ただ、この試合に限っては、『Jリーグ参入』という明確な目標の有無もモチベーションに影響したのかもしれませんが……。

≪後期15節終了時点の順位≫
1位:SAGAWA SHIGA(58、+21)
2位:長野パルセイロ(54、+18)
3位:町田ゼルビア(49、+25)
4位:V・ファーレン長崎(48、+19)
5位:松本山雅(47、+15)
6位:ツエーゲン金沢(45、+13)
7位:琉球(43)
8位:ホンダロック(43)
9位:カマタマーレ讃岐(40)

[4位以内争いの行方]
後期15節で栃木ウーヴァと引き分けたカマタマーレは『4位以内』が絶望的になりました。

山雅は残り4戦全勝で勝ち点59。山雅が2敗して、ゼルビアとV・ファーレンが2勝すれば、山雅の5位以下が確定します。つまり、最短で23日には山雅の残留が決まります。

その一方で、例えば、ゼルビアは3勝2敗で勝ち点58、V・ファーレンは3勝1分1敗で同58、ツエーゲンは4勝1敗で同57。ちなみに上位6チームの対戦カードは以下の通り。

SAGAWA対パルセイロ→(ソニー→)讃岐→讃岐→パルセイロ

パルセイロ対SAGAWA→秋田→琉球→琉球→SAGAWA

ゼルビア対讃岐→ロック→アルテ→アルテ→讃岐

V・ファーレン対ジェフリザ→MIO→ウーヴァ→ウーヴァ→ジェフリザ

山雅対ソニー→ツエーゲン→ロック→ロック(→ソニー)

ツエーゲン対 武蔵野→山雅→MIO→MIO→武蔵野

例えば、ウーヴァの竹内優がV・ファーレン戦で、武蔵野の小林陽介がツエーゲン戦で活躍して『古巣=山雅の救世主』になれば、ドラマチックな『山雅劇場』らしいですが……。

[観客数8033人]
山雅は昨季、ホーム試合平均観客数5080人(合計86357人)を記録しました。今季、クラブ側が掲げた目標は『平均7000人』。そして、この日は8033人。後期15節終了時点で平均7017人(合計105268人)です。残すホームは11月27日のホンダロック戦(後期17節)と12月11日のソニー仙台戦(前期1節)。2試合合計で13732人が集えば、『平均7000人』をクリアできます。是非、大記録を達成してほしいです。最悪の結果に終わったとしても、スポンサーから『人気はスゴイ』と高評価をしてもらうためにも――。

ちなみに近年、Jリーグ参入を果たしたクラブのJFL最終年度実績は以下の通りです。

07年:熊本(平均3568人、合計60650人)
07年:岐阜(平均3529人、合計59994人)
08年:栃木(平均5048人、合計85816人)、
08年:岡山(平均3665人、合計62297人)、
08年:富山(平均4306人、合計73205人)
09年:北九州(平均3409人、合計57947人)
10年:鳥取(平均3489人、合計59318人)

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