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スペインで戦うフットサル選手・荒牧太郎の挑戦 by 荒牧太郎

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オフの過ごし方
by 荒牧太郎

 前回のコラムから随分時間が空いてしまいました。今回は前回のブラジルでの話の続きではなく、オフについて書きたいと思います。

 5月中旬にシーズンが終わってしまい、帰国したのが6月頭。リーグ戦の1位から8位に入っていれば、6月にあるプレーオフにも進出できたのですが、残念ながら8位に入ることはできず。それどころか、自動降格する2チームのうちの1チームになってしまいました。もう1チームがシーズン途中で倒産したクラブだったので、悔しい限り。しかも、下から3番目になっていれば、2部リーグの3位と入れ替え戦のプレーオフに回ることができたのに、それもできず。成績が良くなかったため、かなり長いオフになってしまったのです。

 今回のオフのテーマは『心の充電』でした。こういうとサッカーの長谷部誠選手のようですが、プレーする上で心、メンタルともいえると思いますが、それが物すごく大事だと僕は考えていて、オフはオフとしてしっかり心を充電すると同時に、次のシーズンへ向けての準備をしなければなりません。

 まずは良いオフを過ごす為に何をしたのか。それはオフに入る為の準備をしっかりしました。シーズン終了から帰国まで少し時間があったので、手帳にオフしたいことやするべきことを書き出し、スペインにいる間から連絡できる人には連絡をして、会えるように調整してもらったりしました。

 僕にとって心の充電に必要なことが4つあります。それは…人と会って話をすること、美味しい物を食べること、フットサル以外のことを思い切り楽しむこと、そしてフットサルを楽しむことです。

 まずは人と会うことですが、スペインではなかなか日本人の方と会うことが出来ません。家族を含め、友達に会うのもオフならではの楽しみです。実家に帰って家族と一緒の時間を過ごすだけでも十分に癒され、かなりリラックスできました。友達とも、会って何をするわけでもなく、ひたすらお互いの近況報告をしたり、たわいもない話をして、何時間も過ごすことが大好きです。スペインでももちろんチームメイトと出掛けたりしますが、まだまだ僕の語学力では、日本の友達のようにいろんな話を何時間も!とまではいきません。早くスペインのチームメイトや友達ともそうやって時間を過ごしたいのですが…。

 美味しい物を食べること、それは高級なものを食べるという意味ではありません。僕のいるカルタヘナには日本人の方が経営している日本食屋さんがありません。なので、日本で何気なく入ったお店で出てくる、日本ではスタンダードの白米があまりにも美味しくて、それだけで最初は感動したものです(笑)。それに日本ほど食におけるバリエーションが豊富な国もないんじゃないかと思っています。基本的にどんな料理もありますし、当然日本ですから日本人に合った味付けになっていて、本当に何を食べても美味しいというのが僕の感想です。良い食事はアスリートにとっても非常に大事ですし、そこでストレスを溜めないのも非常に大事だと思います。

 フットサル以外で楽しかったことと言えば、今年のオフは念願のbillsに行くことが出来ました。”世界一の朝食”で有名なあのbillsです。結構前から行きたいと思っていたのですが、なかなか機会もなく、このオフはばっちり早起きして七里ヶ浜のbillsに行ってきました。billsに着いたのが朝の9時だったのですが、その時点で既に2時間待ち!

 その時間を利用して鎌倉に行ってきました。その鎌倉では高校時代の同級生が人力車を引いているので、すぐに電話をし、鎌倉の風情のある街とアジサイ、そして同級生との再会を楽しんできました。

 もちろんbillsではスクランブルエッグとパンケーキを注文して、最高のロケーションの中のんびりと時間を過ごしました。都内にも店舗があるそうですが、あえて七里ヶ浜まで行くことが、僕なりの楽しみ方で、そうして良かったと行って思いました。

 そして最後にオフではありますが、フットサルも楽しみました。日本でしか一緒にプレー出来ない仲間や応援してくれている方々と一緒になってボールを蹴りました。フットサルの魅力の1つに、大人数ではもちろんですが、少人数でも、そして老若男女関係なく、一緒になって楽しむことが出来ることがあげられると思います。

 応援してくれている方々とは、ミズノやウイダーの協力のもとクリニックという形で交流する機会を設けていただきましたし、いろんな人の繋がりで、今まで一緒にプレーしたことがない人達やチーム、年代の選手と一緒になってプレーする機会も多かったです。

 フットサルを楽しんでる人達と一緒にプレーすることで、僕も改めてフットサルの楽しさを感じることが出来ますし、上手い下手に関係なく一生懸命プレーすることの大切さも気付かさせてもらえます。逆に僕も一生懸命プレーするので、遠く離れても応援してもらえたら嬉しいですし、Fリーグや海外のリーグを目指すきっかけにもなれたらと思っています。

 こんな感じでオフは本当に充実したものになりました。最後の方は早くプレーしたくて仕方なくなっていましたね。それはオフでしっかり『心の充電』が出来たということだと思っています。

 ただ選手としては、オフももちろん大事ですし、嬉しいものですが、出来るだけ長くシーズンを戦っていたいというのが本音です。リーグ以外のカップ戦やプレーオフ、はたまた代表での活動で『オフがなく大変だ!』というのは選手冥利に尽きることだと思っています。僕も今ある環境で精一杯フットサルに真摯に取り組んで、今シーズンこそは出来るだけ長く戦っていられるように、このプレシーズンしっかり準備します。ちなみに、今シーズンの2部リーグは22日に開幕する予定なのですが、なぜか、僕らだけ開幕が21日という噂が流れています…(笑)。日程が直前まで決まらないのは、スペインならではですね。

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