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「ボールは丸い」~慶大ソッカー部マネージャー戦記 by 呉田幸子

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坊主と草刈りと二部練とメガホンと
by 呉田幸子

 開幕4連敗。私たちに突きつけられたのは残酷な結果でした。
前節の明治大学戦で敗れ、泥沼4連敗。多方面から心配の言葉をいただきます。

 正直、私自身チームのことを書くのが辛いですし、結果がでていないチームのことを書いても何も説得力がないと思っています。批判されても仕方ありません。
しかし、また頑張っていくためにもここに書いていきたいと思います。前回のコラムでは異常なほどのアクセスを頂きました。じゃあここで違う話題に、といかずにつづりたいと思います。

 私たちは3連敗を喫し、計り知れない危機感を覚えました。絶望感で染まった形相で、涙を流しながら、チームを根本から見つめ直し、悩みました。辿り着いた答えは、「何かを変えなければならない」ということです。


 組織に自分の想いを伝えるとき、どのような手段を選びますか?


 皆の前で話す、一対一でお説教をする、努力して背中で語る…沢山の方法があると思います。

「この試合に全てを懸ける」というメッセージをどのようにしたらチーム全体に伝えることができるか、4年生でミーティングを重ねました。

 ただ言葉を伝えるだけでは伝わりません。議論の根本にあったのはどうしたいかではなく、どう見られるか、どうやったら伝わるかということでした。

 4年生23人がそれぞれ違う役割を担っています。だからそれぞれが自分のできること全てを取り組むことにしました。

 坊主にして気持ちを見せたいと言って自ら頭を刈った人、無駄でもやってやると草刈りをしたり隅々まで掃除をする人、全ての練習にでて盛り上げる人。

 練習の雰囲気もこれまでにないくらい良いものになったそうです。

 試合当日の為に横断幕を作ったり、モチベーションビデオを作ったり、ぼろぼろになったメガホンをテープで巻きました。

 満を持して臨んだ一戦。

 試合の結果は、敗北。濃度の増した絶望感が疲弊した体を支配したのは事実です。まだまだ、そう簡単にはいかない、足りないところもあったのかもしれません。

 ただ、この1週間に悔いはないと思います。だからこそまた前を向いてやっていきます。組織に向かって発信することの難しさを感じましたが、その中でも伝わったかなと思った瞬間もありました。人に気持ちをどう伝えるかというのはこの先も永遠の課題のような気がします。

 いずれにしても「継続は力なり。」私たちの為にある言葉のようです。

 ここが踏ん張りどころ。下を向いても何にもならない!

 まだ見ぬ歓喜に向けてまた頑張っていきたいと思います。

 変わらず応援して下さる皆様に感謝の気持ちでいっぱいです。今後もよろしくお願いします。

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