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「ボールは丸い」~慶大ソッカー部マネージャー戦記 by 呉田幸子

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ボール拾いがいるという幸せな環境 ~マネ部屋は会社のミニチュアPart2
by 呉田幸子

 前回のコラムでは、マネ部屋の仕事は会社の部署ごとの仕事に似ているということと関連して、仕事を紹介しました。

 今度はサッカークラブ独特の部署で考えてみたいと思います。事業部、商品開発部(マーチャンダイジング部)、普及部、強化部です。

メインの事業にあたる仕事
 事業部はその会社のメインの活動をするところを捉えると、1つは試合を運営する仕事とザ・マネージャーの仕事がこれにあたるのかと思います。サッカークラブでは運営部というのがあります。関東リーグは学生幹事がやっていますが、IリーグやJr.リーグを運営するのは私達です。

 そしてチームの勝利に向けてチームをサポートすることがマネージャーのメインの仕事です。試合の際の水出しなどもやります。

マーチャンダイジング部か商品開発部っぽい仕事
 数年前、新しくグッズを作りました。チームを応援してもらうツールになると同時に部の運営費のちょっとした足しになります。女子マネで、これはかわいいとかださいとか言いながら何を作りたいかという段階から考え、デザイン、発注、販売しました。在庫管理も重要な仕事です。

普及部っぽい仕事
 地域貢献活動、子供向けのサッカー教室、イベントなどを取り仕切る仕事もあります。部員にコーチをやってもらったりしながら、地域の方や子供の方にも貢献できる組織になろうとしています。

強化部
 まさにサッカーの現場です。競争の厳しい世界。監督、コーチ、学生コーチ、そして選手のサポートをします。

 狭義のチームのサポートという点では、合宿や試合前泊の手配もします。どういう部屋に泊まりたいか、移動手段はどうするか、食事や栄養補給はどうするかなど調べてホテルと調整します。選手とのコミュニケーションも大変大事です。

 以上で挙げきれたでしょうか。見当違いでしたら、申し訳ありません。

 このように会社のミニチュア版のようなマネ部屋です。
 最後に1つ付け加えると、この会社の理念は、「日本一のチームには日本一のマネ部屋がある。」だということです。すべてがそこにつながります。

 マネ部屋に関連して、主に下級生の選手たちもそれぞれの仕事をします。マネ部屋だけに依存しているわけではありません。選手がやるべきことはやらないようにし、ただのお手伝いにならないように心がけています。

 練習の道具出し、試合の道具を積み込み、ビブスやタオルの洗濯、部室の清潔維持など各係に分かれて仕事をします。誰もが通る道になっている仕組みです。

 練習時間に来たら、ボールやボトルすでに準備されており、練習中にボール拾いもいる、つまりサッカーのことだけを考えればいいという環境は、サッカー界全体のどのカテゴリーにもなかなかないものです。

 大学サッカーは大変恵まれています。一つの理由に、下級生に課せられている面倒な仕事も、人間教育・成長といった言葉でプラスに片づける(捉える)ことができるというのがあると思います。

 サッカー界の全体の発展を考えたとき、プロ並みに恵まれた大学のサッカーチームはそういう意味でも大きなカギになると思っています。

 さて、リーグ戦も残り3試合。完璧に仕事を全うし、勝利を呼び込みたいと思います。

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