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I PLAY FOR… ~大学サッカー・ゲキサカ連動企画~ by  

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Vol.5 インカレ決勝解説者 堀池巧「大学サッカーは夢を実現する場所」
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 12月14日に全日本大学サッカー選手権大会(インカレ)が開幕します。ゲキサカでは大学サッカー連盟と合同でコラム企画を実施。インカレに携わる人達の想いを全10回で掲載します。第5回は現在、指導者及び解説者として多方面で活躍している堀池巧さんです。


I play for...『成長』
【理由】1つは自分が小さい頃からサッカーをやってきて、サッカーを通して成長できたと感じているので今度はサッカーに恩返しをしていきたいと思っています。今は日本サッカー協会の育成年代のナショナルトレセンコーチをしているので、少しずつ日本のサッカーが良くなる手助けをしていきたいです。今の日本代表は5大会連続でW杯出場を決めているけれど、それは昔からの積み重ねが、成長があったから。それを途切らさないためにも育成年代の選手を成長させていきたいですね。

 2つ目は自分自身の成長のため。指導者をやっていて最終的にはプロの監督になりたいなと思っています。はじめは小学生に教えて、次は中学生…と自分でも段階を踏んでサッカーに携わって成長していきたいと思っています。


―サッカーを始めたきっかけは何ですか?
「静岡県の清水市(現静岡市)の出身で、男の子はサッカーをやるのが当たり前だったというか、サッカーをやらないと友達ができないような状況でした(笑)」

―大学までサッカーを続けた理由とは?
「小学校時代と高校時代に日本一になったということと、親と相談して将来安定した職業に就くためにも順天堂大で教員免許を取ろうということになりました。親には「大学4年間で日本代表になれなかったら、教員になれ」と言われていました」

―大学生活はどのようなものでしたか?
「順天堂大はサッカー部の寮がありません。でも1年生は必ず大学の寮に入らないといけなくて、バスケットボール部や陸上部、医学部など色々な分野の学生と生活していく。同じ1年生でも部活が違うと生活もバラバラなのですが、サッカー部だけではない色々な仲間ができたことがすごく楽しかったですね」

「2年生からは一人暮らしを始めたのですが、それも楽しかったです。親元を離れて生活をしてみて、親の大変さに気付けたと思います。仕送りをもらって決められた範囲でやりくりをして…と自己責任と自己判断というのが出てきます。何とか生活を切り詰めて洋服を買いに行ったり…(笑)。そういう部分を経験できて良かったと思います。『自立』という部分が大学なのではないかと思います」

―大学生活で印象に残っている出来事はありますか?
「大学3年生の時のインカレ準決勝の前日、泊まっている宿舎が高校時代に泊まったことのある宿舎の近くで、同じ高校出身の人たちと遊びに行っていました。その遊びに行っている時にサッカー部の部長が宿舎を訪問したので後輩が僕らを呼びに来たのですが、僕らは『もう少しいいよ』とのんびりしていたら、怒られて……いや、その時に部長は怒らなかったんです。怒らなかったのですが、僕らはそのオーラを感じ取って……。次の日の準決勝でPKを外して負けてしまいました(笑)。 その時の責任を取って、4年生の時はキャプテンをやりました」

「あと、4年生の時は日本代表に選ばれていて、ソウル五輪の予選で大学の試合に出場できる機会がほとんどありませんでした。リーグ戦でチームのみんなに迷惑をかけてしまったのでインカレだけは出ようと思っていて、最後に自分で決勝点を決めてインカレで優勝したのが良い思い出です。大学サッカーでは良い思い出も、悪い思い出もありますね」

―高校、大学、プロと様々なカテゴリーでプレーされて、感じた違いというのはありますか?
「プロは『サッカー選手』という職業で結果が全てだと思うし、高校サッカーは管理されている部分が多い。大学サッカーはその中間にあって、サッカー自体は大人に入っているし身体も大人。でも、精神的には大人と子供の境目というか、大人になり切れない部分がある。高校サッカーは、どちらかというとやらされているというか、一人ひとりの取組み次第で何とかなるのかなと。プロは結果が出なければ『もう要りません』と言われてしまう。そういった意味でも大学サッカーは中間だと思う」

「海外だと下部組織でプレーをしてきて、18歳の時点でプロになれなかったら他の就職先を探すしかない。でも、日本だと高校卒業の時点でプロになれなくても、大学でもう1度チャンスがありますよね。大学でまた経験を積んで、人間的にも成長してプロになるというシステムは日本にしかない。夢を長く持てるという意味でも、日本の中で大学サッカーは重要な部分を占めているのかなと感じます」

―大学サッカーの魅力はどのようなところですか?
「夢を持てるというところも1つだと思います。あとは、高校でサッカーをやっていて駄目だったとしても、次は大学でサッカーができる。でも、大学サッカーの選手にとって次のステップであるプロに行ける人はほとんどいないですよね。多くの人にとって大学サッカーは競技スポーツとしての最後の場所であり、一人ひとりの目標や想いが明確になっているところなのかなと思います。『夢』といってもプロになりたい人もいれば、就職を考えている人もいる。まだまだ続く人もいれば、ここでサッカーと離れるという人もいる…という気持ちを自然とどこかに持って取り組んでいると思います」

「インカレを観ても4年生は一緒に戦ってきた仲間や試合に出ていない人のため、下級生は先輩の頑張っている姿を見て最後に良い形で送り出したいという気持ちをもってプレーしていて、すごく良い関係ができていると思います。口には出さないですが、みんな心のどこかで思っているから感動を与えられるプレーが出来るんだと思います」

―解説者という目線から見た、大卒選手はいかがですか?
「大学に通って勉強しながら部活動もしなくてはいけない。高校はある程度管理されているけれど、大学は授業をサボろうと思えばサボれてしまいますよね。一人暮らしをしているのであれば、食事や睡眠の面で自己管理の差が出てくるし、大学は人間的に強くないと生き残れない。そういう中で生き残って、プロになった選手は精神的にも強いです。その差はあると感じますね」

「大学卒業後にプロになると、高卒選手と比べて4年のキャリアの差が生まれてしまう。でも、その差は埋めることが出来るし、育成期間がある高卒選手と比べて大卒選手は即戦力になるんですよね。大学4年間の中で上下関係や理不尽なことを経験してきた“人間力の差”というのは感じます」

―子供たちにとって大学サッカーとはどのような舞台であるべきでしょうか?
「環境を考えたらプロの方が整っているかもしれない。でも、大学も充実していて人工芝やクラブハウスがあって、もしかしたら大学を経由した方が良いプレーヤーになれるかもしれない。でも、勉強をしたくないなど色々なタイプがあるので、大学を勧めるとは限りませんが…(笑) 。18歳までではなくて、自分の夢を実現するための場でもあってほしいと思います」

「あと、U-12世代の子供たちには『感謝やリスペクトの気持ちを忘れるな』ということを言っています。大学は親の有難味や、自分がどれだけの人に支えられて、一人でサッカーしているわけではないということに気付く場でもあると思います」


 繋いできた想いは、最後の国立へ。
 平成25年度第62回全日本大学サッカー選手権大会決勝 12月25日(水)15時Kick off !!



●堀池巧
順天堂大学を卒業後、読売クラブ(現東京ヴェルディ)を経てJリーグ発足と同時に清水エスパルスに入団。日本代表においてもユーティリティープレーヤーとして活躍した。現在は育成年代のナショナルトレセンコーチの他に解説者としても多方面で活躍している。

(協力 全日本大学サッカー連盟)

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