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POINT OF SOCCER by 長谷川望

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プレミアリーグに求められる能力とは
by 長谷川望

 ドイツ・ブンデスリーガ1部の18チームには、中東を含むアジアの国から30名以上の選手が所属しています。一方、イングランド・プレミアリーグ1部の20チームを見てみるとアジアからは5名ほどという現状。プレミアリーグの特徴としてフィジカルの強さが挙げられ、アジア人は体格的に不利なのではないかと言われてきました。しかし近年そんな体格差の問題を払しょくできるリーグへと変わってきています。

「この5年でプレミアリーグはすごく変わってきている。10年前は『パワー、ストロング、スピード』を武器とした選手が多かった。今ではスペイン人が活躍しているように、身体的に小さい選手であっても優れた技術面に注目している。早い選手やテクニックがある選手など様々な能力がある選手が活躍できる環境になった」とリバプールFCスクールのフィリップ・オリバーコーチは、プレミアリーグの変化について分析します。

 フィリップコーチが言うように小柄なスペイン人の活躍といえば、FWダビド・シルバ選手(マンチェスター・シティ)。身長170㎝、体重67㎏と小柄な選手ですが、そのボールコントロール能力、パス精度の高さにおいてはプレミアリーグのなかでも存在感を遺憾なく発揮しています。

 日本人の子供はどの外国人指導者に取材しても「技術がある」と評価されます。それでは他にどのような能力が求められるのでしょうか。フィリップコーチは「Jリーグとプレミアリーグを比較したときに、テクニック的にはそんなに変わらない。何が違うかというと判断のスピード。プレミアリーグは全体的にとても早くなってきている。パススピードや周りをみて判断するスピードが求められている」と、技術に加えてより早い『スピード』も重要だと言います。

 フィリップコーチに「これから技術をいかし、早いプレーを身に付ければ日本人の子供たちは将来プレミアリーグで活躍できるのでしょうか」という質問をしました。コーチの返事はすぐに返ってきました。「間違いなくできる」と。

 小学生、中学生に将来の目標を聞くと、Jリーガーになって最終的には海外でプレーしたいという声をたくさん聞きます。たとえ体格差があったとしても、育成から技術やスピードを伸ばしていけば、子供たちの夢への道は間違いなく広がっていきます。

◆著者プロフィール◆長谷川望(はせがわ・のぞみ)
1987年生まれ。福島県出身。ロンドン五輪で女子レスリング金メダリスト伊調馨を取材。2020年東京五輪を見据え、サッカーを中心にスポーツの育成年代を精力的に取材している。フジテレビ『とくダネ!』、TBS元旦スポーツ祭り『2013年にかけるアスリートたち』、WOWOW『金曜カーソル』などテレビ番組でも活躍中。
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