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POINT OF SOCCER by 長谷川望

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日本初ダノン杯優勝! 世界一に輝いた横河武蔵野FCジュニア
by 長谷川望

「すべてがスペシャルだった」と語るのは、日本初の世界一に輝いた横河武蔵野FCジュニアの戸田智史監督です。横河武蔵野FCJは先月行われたFIFA公認U-12の世界的祭典ダノンネーションズカップブラジル大会に日本代表として出場しました。

 ダノン杯世界大会へはまず日本大会で優勝しなければいけません。日本大会の決勝大会ではベスト4のなかで唯一予選大会から勝ち上がってきた実力派チーム。その力は世界32か国の頂点にたち改めて証明されました。

 ブラジル・サンパウロで開かれた世界大会ではグループリーグを無敗で通過。決勝トーナメントでは準決勝のチリ戦を3-0で勝利し、決勝のパラグアイ戦で1-0と今大会全7試合で16得点1失点という攻守において素晴らしい成績で大会を終えました。

 7得点をあげて得点王に輝いたのは幼稚園生の時から横河武蔵野FCで育ったFW福崎伶青選手。今年の夏の全日本少年サッカー決勝大会では、足首の怪我をして準決勝に出られず悔しい想いをしました。しかしその気持ちはこの賞を受けて和らいだのではないしょうか。「みんながいてくれたから(得点王を)獲ることができた」と話していたそうですよ。

 優勝したチームの強さについて「チーム全体で守備のオーガナイズができていて、ボールロストしたときの切り替えの早さは凄かった。体格的には南米、アフリカ、ヨーロッパは強かったが、日本人は我慢強さがあった。ゲームのなかで繰り返し行う作業を、外国人選手は感情表現が豊かなため諦めたりする時がある。一方、日本はそれを、平常心を保ったままやることができる。自分たちの色を出すことができた」と、戸田監督は大会を振り返ります。

 世界と比較したときにフィジカル面で不利ですが、切り替えるスピード、そして集中力は日本人の武器となりました。このような長所を日本人としてこれからも伸ばしていかなければいけないでしょう。いつもと変わらず積み重ねてきたものを発揮することは簡単なことではないですが、それを可能にした横河武蔵野FCJの色は世界を圧倒したチームワークなのではないかと思います。

◆著者プロフィール◆長谷川望(はせがわ・のぞみ)
1987年生まれ。福島県出身。ロンドン五輪で女子レスリング金メダリスト伊調馨を取材。2020年東京五輪を見据え、サッカーを中心にスポーツの育成年代を精力的に取材している。フジテレビ『とくダネ!』、TBS元旦スポーツ祭り『2013年にかけるアスリートたち』、WOWOW『金曜カーソル』などテレビ番組でも活躍中。
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