遠藤彰弘氏がプロを目指す子供たちに伝えたいこと
by 長谷川望
by 長谷川望
「プロになりたい」。このような夢を持った子供たちは取材先でもたくさんいます。しかし「一番になりたい」という声はあまり聞きません。
サッカー選手として横浜・マリノス(現、横浜F・マリノス)、ヴィッセル神戸でプレーし、現在、国内外で幅広くサッカー指導をおこなっている遠藤彰弘氏は「一番になりたいと思っている子が本当にいるのかな、というのは日本全国を回っていて思う。チームスポーツということが理由としてあるかもしれないが、僕らの時代はみんな常に一番になりたいと思っていた。そういう強い気持ちが大切」と、自身がサッカー少年だった頃と、近年の子供たちのサッカーに対する気持ちの変化について話します。
実際、プロ選手として活躍した経験者だからこそ、そういう気持ちを大切にする重要性を感じるのだと思います。同時に、「一番になりたい」という強い想いがプロの世界には必要なのでしょう。
遠藤氏がメインコーチを務める「遠藤塾」には、プロ選手を目指すジュニア、ジュニアユースの子供たちが集まっています。そこでプロ選手になるためには、どのような要素が求められるかをお聞きしました。
「『みる』ということ。フィールド内だけでなく、例えば仲間の顔色をみる、親の顔をみる、指導者の顔をみる、コートや対戦相手をみるなど、全てにおいてのこと。これはプロ選手に必要な能力だと思う」。
「みる」という言葉の奥底には、観察して学ぶという意味が含まれていました。周りが何を思っているのか、チームメイトはどのような考えの人間なのか、ピッチや対戦相手にはどのような特徴があるのかなど。サッカーは様々なことが関わり合っているもので、特にプロの世界で生きていくためには、みて学ぶことが根本にあるのだと改めて知ることができました。遠藤氏が言うように、今以上に周りをよく見てみると、プロ選手につながる新しい発見があるかもしれませんね。
[写真]遠藤塾では4歳から中学2年生までのプログラムが組まれている
◆著者プロフィール◆長谷川望(はせがわ・のぞみ)
1987年生まれ。福島県出身。ロンドン五輪で女子レスリング金メダリスト伊調馨を取材。2020年東京五輪を見据え、サッカーを中心にスポーツの育成年代を精力的に取材している。フジテレビ『とくダネ!』、TBS元旦スポーツ祭り『2013年にかけるアスリートたち』、WOWOW『金曜カーソル』などテレビ番組でも活躍中。
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