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POINT OF SOCCER by 長谷川望

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表情に注目!プレーに影響するメンタル
by 長谷川望

 新中学生は、新しいチームに慣れることが大きな課題ですが、より良いチーム作りをするためには、自分自身の努力はもちろん、周囲の人たちとの関わりが重要なカギとなります。中学1年生のとき、3年生が大きく見えたように、心身ともに成長著しい中学生年代は学年によって異なることが様々でてきます。

 三菱養和SC巣鴨ジュニアユースの加藤敬太監督は「個人差があるが、中学一年生の子はまだ小学生に近く、中学二年生にかけては思春期で自我が芽生えてきている。中学3年生は、この時期(3月後半)なんかは、大人に近くなってきている。成長は一人ひとり違うので、接し方には注意している」と、中学生年代の特徴を教えてくれました。それぞれ成長スピードは異なるジュニアユースチームの指導は、選手に合わせた接し方が求められるのかもしれません。

 選手たちのメンタルはプレーにあらわれるというのは、今まで取材を通して指導者の方々から良く聞きます。それは日本だけではなく海外でも同じようですが、ピッチ外の影響は大きいものだということを感じています。特に表情は選手たちのココロを映し出します。「『この子は生活面で上手くいっているのかな』というのは、試合に出ていればプレーにあらわれるので分かりやすい。しかし試合に出ていなかったり、上手くいっていない子は顔つきにでる」。

 そこで加藤監督は次のことを指導で心がけているそうです。「週5回選手に接するなかで、最初の挨拶のときに、どういった顔つきをしているのかを見ている。一番ココロが不安定な時期なので、楽しくサッカーに打ち込めているのかなというところを意識して、指導に入っていけたらと思っている」。

 このようなことからも4月から新しいチームで始動する際に、重要なのがコミュニケーション。周りの大人やチームメイトが選手の表情などの変化に気付き、コミュニケーションをとっていくことがこの時期の大切なスタートなのだと感じます。よく相手に気を使うあまり話しかけない場合があると思います。しかしそれは話しかけてみないと分からないこと。まずは積極的にコミュニケーションをとってみてはいかがでしょうか。

 スタートということで、本コラムも来月から心機一転リニューアルしていこうと思います。育成というテーマのなか、より選手たちに親しみをもってもらえるような内容にしていきたいと考えていますので、是非チェックしてみて下さい。

◆著者プロフィール◆長谷川望(はせがわ・のぞみ)
1987年生まれ。福島県出身。ロンドン五輪で女子レスリング金メダリスト伊調馨を取材。2020年東京五輪を見据え、サッカーを中心にスポーツの育成年代を精力的に取材している。フジテレビ『とくダネ!』、TBS元旦スポーツ祭り『2013年にかけるアスリートたち』、WOWOW『金曜カーソル』などテレビ番組でも活躍中。
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