beacon

ヤング魂 by 長谷川望

このエントリーをはてなブックマークに追加

[第94回]MF鳴海友介(SCH.FC)「初めてのスペイン遠征で学んだプレスの早さ」
by 長谷川望

 SCHフットボールクラブジュニアユースは、神奈川県横浜市で活動するサッカークラブ。現在、神奈川県(U-15)サッカーリーグ1部の首位をキープしている注目のチームだ。 県(U-15)1部リーグ1周り目の首位を確定させ、高円宮杯関東大会出場権も獲得している。 また第26回全日本ユース (U-15)サッカー選手権大会(神奈川県大会)兼第5回神奈川県U-15サッカー選手権大会で優勝し、高円宮杯関東大会で全国大会まであと一歩のところまで勝ち上がった実績もある。 

 SCH.FCで特筆したいのは、2005年からほぼ毎年行われているスペイン遠征だろう。春休みに行われるその遠征では、バルセロナのカンテラなど現地クラブとの練習試合や世界各国から強豪チームが集まる国際大会(MIC)出場、カンプ・ノウでの試合観戦、ホームステイ、現地コーチによるクリニックなど、中身の濃い体験を選手たちと共有している。

 ジュニアユースを統括している中野泰延氏は「百聞は一見にしかずで、まずは経験して、選手たちがどう感じるかが一番大事です。サッカー面で言えば、スペインの子供たちは自分の考えを持っていて、主体性があります。そういう部分を感じて吸収してくれたら嬉しいです」とスペイン遠征の醍醐味について話す。

 今回はスペイン遠征にも参加した中学3年生をピックアップ!!

PICK UP選手
 鳴海友介くん(14)。ポジションはトップ下。キープ力が高く、ドリブルでチャンスメイクする中盤のキーマンだ。

 彼のストロングポイントであるドリブルの成長の裏側には、自分自身で行っているある努力があった。「中学2年の時から毎日体幹トレーニングを、朝とお風呂上がりにしています。1年生の時、フィジカルが弱くて、自分のプレーが通用しない事がたくさんありました。それで『身体を強くして自分のプレーをしたい』と思ったのが始めたきっかけです。体幹トレーニングを続けて、今では相手に身体を当てられてもブレないのが自分でも分かるし、周りからも『強くなった』と言われるようになりました」。彼の「続ける」という努力は、自信となり、しっかりと結果に結びついている。

どんな選手⁉
 中野氏は「ドリブルが魅力の選手です。体幹がものすごく強くなり、プレーの幅が広がったので、これからもっと成長すると思います」と、鳴海くんの今後の活躍に期待を寄せている。

 そして今年初めて参加した鳴海君に、スペイン遠征ついて聞いてみた。まずはサッカー面ではどのような違いを感じたのだろうか。「スペインの選手はプレスも早いし、技術も高かったです。でも意外と自分たちでも『通用する』というのも感じることが出来ました。自分たちもプレスを早くして、相手を自由に動けないようにしていきたいと思いました」。海外経験から学んだこの貴重な収穫は、チームを更に強くしていくだろう。

 サッカー以外でも充実した日々を過ごしたのが伝わってくる。「全部楽しくて、食事も全部おいしかったです。フリータイムは世界遺産のグエル公園やサグラダファミリアなど色んなところを回りました!」。ピッチ内外でたくさん刺激を受けて、一回り大きくなった鳴海くんの今後の活躍が楽しみだ!

気になる質問‼
――好きな選手を教えてください。
「エジル選手(アーセナル)です。ターンとか視野が広いことなど、攻撃に欠かせない選手なので、参考にしたいです」

――将来の夢を教えてください!
「このチームで全国大会に出て、いろんな高校に興味持たれる選手になりたいです。そしてプロになって活躍したいです!」

――これからも頑張ってください!
「強みである攻撃力をもっと生かして、失点が多いので守備を強化しながら、チーム一丸になれるように頑張ります!」

◆著者プロフィール◆長谷川望(はせがわ・のぞみ)
1987年生まれ。福島県出身。リオ五輪で4連覇を成し遂げた女子レスリング伊調馨を取材。2020年東京五輪を見据え、サッカーを中心にスポーツの育成年代を精力的に取材している。フジテレビ『とくダネ!』、2016年『林先生のあのアスリートを一流にした劇的スイッチ』他多数出演。
スポーツライター長谷川望facebookファンサイトはこちら

TOP