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日本一のGKへ by 東口順昭

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vol.4「ベテラン、同期、若手…屈指のGK陣を抜いて“日本一”へ」
by 東口順昭

 目標は「日本一のGK」になること。これはずっと変わらない。この目標を実現するためには日の丸を背負ってW杯に出場するような選手にならないといけない。日本代表に招集されることは自分にとって大きなモチベーションになっている。

 去年の秋に開催された日本代表GK合宿は新鮮やった。シンプルに、GKしかおらへんから (笑)。いろんなタイプのGKがいる中で、自分の武器や通用する部分を探りたいと思って臨んだ。でも、期間が短くて(3日間)思っていたより時間が足りなかったかな。もっと練習したかった気持ちはあるけど、普段集まらへんGK陣が一緒にご飯を食べて、練習して、寝る(笑)、それだけでも面白い経験やった。中村航輔、シュミット・ダニエル、櫛引政敏と、若手選手のひととなりを知る機会にもなった。

 勢いがあるのは中村選手。決定的なセーブを連発していて、それが柏レイソルの好成績につながっている。彼のセーブは好きで、参考にもなるし、いつも映像を見ている。6月のシリア戦、イラク戦では中村選手がA代表に初選出されて、同い年の(西川)周作が入らなかった。周作は高校時代からずっと第一線で活躍していたし、俺は勝手にライバルやと思っている。これまで自分が代表に選ばれたときは常に周作がいたから、彼がいない代表には違和感があった。
 ベテランの(川島)永嗣さんはやっぱり大きな存在。責任感が誰よりも強い。練習から自分のプレーに対して真摯で、納得がいかないと何度でもやり直すし、そうやって貫く姿勢をリスペクトしている。代表期間は毎回、学びの場になっている。

 ハリルホジッチ監督からは「毎試合見ている」と言われていて、その中で選んでもらえるのは嬉しいこと。なかなかA代表の試合には出場できていないけど、いつでも準備はできている。試合に出ようが出まいがモチベーションは維持できるので、準備することに難しさは感じない。大学時代とかは、試合に出れへんかったらふて腐れてしまうような時期もあった。でも、「ふて腐れていた時間がもったいなかったな」と後に感じてからは、感情との向き合い方がクリアになった。マイナスに向かう時間があったら人よりも練習して、どんどん積み上げていくだけ。 
 過去を振り返ると、たとえばジュニアユース時代はユースに昇格できなくてプロへの道をあきらめたこともあっただけに、一段一段、ホンマにちょっとずつ階段を上ってここまで来れたという実感はあるけど、思い描くようには目標に近づけていない。日本一への道のりは険しくて、まだまだ挑戦は続いている。

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