---

---

　静岡県磐田市で活動しているジュビロ磐田U-15は、東海地域リーグ(U-15)に所属しており、今月16日〜28日に行われる高円宮杯第29回全日本ユース(U-15)サッカー選手権大会の出場権を獲得しているJリーグのアカデミーチームだ。

　アカデミーチームというだけに、プロを目指す選手が多い。チームを指揮する半場康好監督にどのような選手に育って欲しいか聞いた。「教え子に山田大記(磐田)がいるんですけど、彼は小学校のときからサッカー小僧で、本当にサッカー大好きで、負けず嫌いでした。そのなかでも挨拶や身なりもちゃんとしていました。プロになってドイツから帰ってくるときも、『ジュビロに帰ります』と連絡をくれたり、人間として誰にでも好かれるような選手だと思います。サッカーだけやっていれば良いという気持ちでは、みなさんに愛されないと思うので、プロを目指すのであれば、そういうところをきちんと出来る人間に育ってくれたら嬉しいです。正しいことを判断できる人間になってもらいたいです」。これから選手たちがどのように成長するのか心待ちにしている。

　今回は、守備の要として活躍する中学3年生をピックアップ!

PICK UP選手
　鈴木海音くん(15)。センターバックの鈴木くんはゲームキャプテンも務めている。また小学生の時にボランチやフォワードのポジションだった彼は、当時培われたインターセプトの能力、そして自主練で鍛えたロングキックで攻守にわたって貢献するチームのキーマンだ。「練習中にどれだけ試合を意識して出来るかを自分の中で気をつけています。自主練ではロングキックをただ蹴るだけでなくて、試合のなかで使える球種、バックスピンをかけるなどして蹴っています」。

　U-15日本代表のメンバーでもあり、遠征や今年9月に行われたAFC U-16選手権2018予選に出場している期待の選手だ!

どんな選手⁉
「高さもスピードもあって、攻撃参加が好きなセンターバックです。経験を積んで1対1も強くなり、しっかりしたボールの奪い方、カバーリングやポジショニングも常に小まめにやれるようになってきました。代表に行ってすごく成長した選手です」と、半場監督は鈴木くんの成長を高く評価している。

　182㎝と長身の鈴木くんは「怪我も少ない」と監督は言う。鈴木くんにその秘訣を聞いてみた。「小学生のときからなんですけど、練習後は必ずストレッチして、家でもお風呂のあとにストレッチマットをひいて20分くらいやっています。同じくらいの身長の人の中では柔らかい方です。食事もお母さんは仕事で忙しいんですけど、品数多く出してくれるのでいっぱい食べるようにしています」。自分で身につけた柔軟性と家族のサポートが彼の身体づくりに大きく影響している。

　そして9月にインドネシアで行われたAFC U-16選手権予選について、今までとの違いを聞いた。「今まで代表の遠征は何度か参加させてもらいましたが、アジアの一次予選ということで、公式戦なのでまた違う緊張感、スタジアムの雰囲気がありました。いろんな事が違ったので緊張しましたが、とても良い刺激になりました。代表で学んだことを忘れないように、普段の練習から意識を高く持って、それを継続していくことが大事だなと感じました」。代表としての責任感を肌で感じ、それを常に意識していくことで更に成長していく!

気になる質問‼
――好きな選手を教えてください。
「セルヒオ・ラモス(レアル・マドリー)です。レアル・マドリーで守備を支えているし、いざという時にセットプレーから得点できるので好きです。自分もセットプレーから点を取りたいと思っているので参考にしたいです。また、ジュビロ磐田では中村俊輔選手です。左足からだされるキックの精度、高い技術、フリーキックなどで観客を魅了してとてもかっこいいです。今年加入したばかりで周りの選手とすごいコミュニケーションをとっていて連携もずっとやってるのかというくらいなのでそういう人間性も尊敬しています」

――将来の夢を教えてください!
「A代表に選ばれて中心選手として活躍したいです! そしてW杯に出て優勝したいです。チャンピオンズリーグにも出れるような選手になりたいです!」

――これからも頑張ってください!
「常に高い目標を持って、自分のやることをブレずに頑張りたいと思います!」

---

◆著者プロフィール◆長谷川望(はせがわ・のぞみ)
1987年生まれ。福島県出身。リオ五輪で4連覇を成し遂げた女子レスリング伊調馨を取材。2020年東京五輪を見据え、サッカーを中心にスポーツの育成年代を精力的に取材している。フジテレビ『とくダネ!』、2016年『林先生のあのアスリートを一流にした劇的スイッチ』他多数出演。
スポーツライター長谷川望facebookファンサイトはこちら