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ヤング魂 by 長谷川望

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[第131回]GK加藤太郎(SC相模原JY)「リスペクトを忘れないムードメーカー」
by 長谷川望

 SC相模原ジュニアユースは、神奈川県相模原市で活動をしているJリーグクラブのアカデミーチームだ。今年の高円宮杯第30回日本ユース(U-15)サッカー選手権神奈川県大会では、強豪チームが多いなか見事優勝。つづく関東大会ではBブロックをベスト8で幕を閉じた。

 冨田裕一郎監督は「神奈川県の決勝では、負けていても落ち込まずに『逆転しよう』という気持ちがあって、選手たちに笑顔が見えていました。もともと仲が良く、明るいチームですが、前向きな気持ちが勝利に繋がったと思います。関東大会は一回のミスで失点に繋がることや、1本のパスが通ったことで得点に繋がることなど、一つ一つのプレーを取っても質の高いゲームを経験させてもらった大会でした」と高円宮杯を振り返る。大会での貴重な経験が、さらにチームの絆を強くしたに違いない!

 今回は中学3年生プレーヤーをピックアップ!

PICK UP選手
 加藤太郎くん(15)。ポジションはゴールキーパー。「キックの精度と瞬発力を鍛えてるトレーニングをしています」と話す彼は、高いセービング力でシュートを阻止し、声出しでチームを鼓舞するムードメーカーだ。

 高円宮杯神奈川県大会の決勝について聞くと、「僕は最後に出たんですけど、今まで正GKとして頑張ってきた小林隼人くんの努力を無駄にしない良い姿を見せたいという想いで挑みました」と、出てきたのは自分の気持ちではなく、同じポジションで切磋琢磨してきたチームメイトへのリスペクトだった。ムードメーカーとしてみんなから慕われるのは、このような彼の純粋な人柄なのではないだろうか。

どんな選手⁉
 冨田監督は「この子が試合に入るとチームの雰囲気がガラッと変わったこともあるくらい、チームに与える影響が大きいです。まだまだ将来性があるので、これからどのような成長をするのか楽しみな選手です」と、欠かせない存在として、チームを引っ張ってきたのが分かる。

 加藤くんに同クラブのトップチームで活躍し、今シーズンで現役を引退した元日本代表GKの川口能活について聞いた。「動画で日本代表時代のセービングを見て凄いと思いました。自分も川口選手のように気持ちの強い選手になりたいです」と尊敬の眼差しで見つめている。これからも同じクラブで活躍した先輩の大きな背中を追い掛けていく!

気になる質問‼
――好きな選手を教えてください。
「マンチェスター・シティのエデルソン選手です。GKから得点に繋がるプレーが出来るところが好きです」

――将来の夢を教えてください!
「今までにいないような選手になりたいです! そして世界に通用するサッカー選手になれるように頑張ります!」

――これからも頑張ってください!
「高校はより一層レベルが高くなるので、今からしっかり鍛えて備えたいと思います!」

◆著者プロフィール◆長谷川望(はせがわ・のぞみ)
1987年生まれ。福島県出身。リオ五輪で4連覇を成し遂げた女子レスリング伊調馨を取材。2020年東京五輪を見据え、サッカーを中心にスポーツの育成年代を精力的に取材している。フジテレビ『とくダネ!』、『林先生のあのアスリートを一流にした劇的スイッチ』他多数出演。
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