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ヤング魂 by 長谷川望

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[第132回]DF牧野太智(SC相模原JY)「向上心を忘れさせないチーム作り」
by 長谷川望

 神奈川県相模原市で活動をしているSC相模原ジュニアユースは、今年の高円宮杯第30回日本ユース(U-15)サッカー選手権神奈川県大会で優勝したサッカークラブだ。

 冨田裕一郎監督はチーム作りについてこう話す。「サッカーで勝つためには、しっかりした人間を育てないといけないというのが指導方針としてあります。うちでは人間作りの一環として夏にサバイバルキャンプを行っています。何もない山でテントを張ったり、ご飯を作ったりすることで、現状のありがたさを感じることが出来るようになりました。そういうサッカーで繋がる人間作りを通して、連携する力や練習の環境づくりに役立っていると思います」。このような経験がチーム力を育て、優勝に結びついてるのではないだろうか。

 今回はチームを引っ張る中学3年生をピックアップ!

PICK UP選手
 牧野太智くん(15)。ポジションはセンターバック。キャプテンを務めている彼は、「まだ伸びている」と言う176㎝の長身を生かした空中戦の競り合いで、セットプレーからチャンスを作るキーパーソンだ。

 CBとして相手に負けないために行っている身体づくりでは、人一倍努力を惜しまない。「練習後すぐにプロテインを飲んで、自転車で帰るようにしています。オフの日は家の近くのトレーニングジムで身体づくりをしています。基礎がサッカーで一番大事だと思うので、面倒臭いと思うときもありますけど、自分で向上心を忘れないようにしてやっています」。日常の一つ一つの行動と時間が、サッカーのためになるように意識している。

どんな選手⁉
 冨田監督は「誰が決めたわけでもなく、自然とチームの中心的存在になった選手です。キャプテンとしてチームをどうまとめるか、声掛けをどうするか、良く考えています。これから将来有望な選手になっていくと思います」と、牧野くんのキャプテンプシーを高く評価している。

 高円宮杯神奈川県大会について牧野くんに聞いた。「夢だと思いました(笑)。正直、神奈川県は強豪チームがたくさんあって、連敗もしていたので優勝できると思っていなかったので余計に嬉しかったです。関東大会では二回戦で負けてしまいましたが、他のチームの試合前の意識の高さを見て、自分たちも真似しなきゃいけいところを発見できたのが良かったと思います」と振り返る。辛い時期を乗り越えて勝ち取った優勝と挑戦した関東大会は、忘れられない貴重な経験になったに違いない。

 また「いつも元気で、楽しく練習ができる」とチームについて笑顔で話す彼の言葉通り、その明るさは見ている側にも伝わってくるほど、とても印象的だった。この笑顔がサッカーに対する向上心を失わせないでいるのではないだろうか。

気になる質問‼
――好きな選手を教えてください。
「セルヒオ・ラモス選手(レアル・マドリー)です。あの闘争心と競り合いの強さは、自分の目標にしたい選手です」

――将来の夢を教えてください!
「プロサッカー選手になって、海外でプレーすることです!」

――これからも頑張ってください!
「プロになって、世界に通用する選手になれるように頑張ります。そして親にもコーチにも恩返ししたいです‼」

◆著者プロフィール◆長谷川望(はせがわ・のぞみ)
1987年生まれ。福島県出身。リオ五輪で4連覇を成し遂げた女子レスリング伊調馨を取材。2020年東京五輪を見据え、サッカーを中心にスポーツの育成年代を精力的に取材している。フジテレビ『とくダネ!』、『林先生のあのアスリートを一流にした劇的スイッチ』他多数出演。
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