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ピッチに恋して by 松原渓

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[J1]大宮対G大阪
by 松原渓

 今週はJ1第21節、大宮アルディージャ×G大阪戦を観に行ってきました。
 大宮は4月以来となるホームでの白星が懸かった試合、一方のガンバは公式戦3連敗中とどちらも負けられない一戦。
 今回は初めて訪れるNACK5スタジアムも楽しみの1つでした。スタジアムに足を踏み入れると……色々な方から話に聞いていた「見やすさ」はもちろん、音がスタジアム内にこもり、ゴール裏の歓声が中央で火花を散らす臨場感!
 見やすさの理由はやはりピッチの近さが一番ですが、スタンドの傾斜がきついせいか、1対1の駆け引きだけでなく全体の流れもよく分かります。
 スタンドはメインスタンド、バックスタンドと両ゴール裏と空間が4つに切り離されている作りが独特で、特にゴール裏はそびえ立つ壁のような傾斜が立体感を演出していました。
 しかし、天敵は雨。
 メインスタンド以外は屋根がないため、この日は試合前の雷雨で一時的に入場制限の措置もありましたが……その雨も試合前までには無事止み、予定時刻通りキックオフ。

 試合は開始4分、クロスをラフリッチ選手がヘディングで合わせ、キーパーが弾いたこぼれ球にデニス・マルケス選手が詰めて大宮が早くも先制。
 その後はG大阪が支配する時間帯も多かったものの、ボールキープ時のG大阪の中盤の強さは同じく中盤の守備に意思統一された大宮の組織的守備にことごとくカットされ、バレー選手という明確なターゲットを失った影響が露呈してしまいました。
 大宮はパスカットの流れからボールを回して崩す真骨頂のアクションサッカーが時間と共に随所に見えました。中盤では5本以上ダイレクトがつながることも。
 前半42分にはCKからレアンドロ選手のヘディングが綺麗に決まり、最高の時間帯の追加点で2-0!

 嫌なムードでハーフタイムに入ったG大阪ですが、印象的だったのはハーフタイムの西野監督の指示。

「もう1回フラットになれ!」「両サイドを使って仕掛けろ!取りに行け!このままでは終われない!」

 記者用に配られる両監督のハーフタイムコメントからは怒りを伴う「勝ちへの姿勢」が伝わってきました。これは何かが変わりそう……。

 後半に入り、23分、大宮に先制点をもたらしたデニス・マルケス選手が報復行為で一発レッドの“事件”が起こります。これで流れはガンバに傾くものの、その後、大宮は完全守備のゲームプランを選択。GK江角選手のファインセーブにも助けられてG大阪の猛攻を凌ぎ切り、2-0で試合は終了。

 スタンドを鮮やかなオレンジ色に埋めたサポーターに、待ち望んだ4ヶ月ぶりのホーム戦勝利がプレゼントされました。
 そして、4連敗となってしまったG大阪。悪い流れを断ち切るきっかけは監督のマジックではなく、やはり選手の奮起なのでしょう。

 90分を通して一番印象に残ったのは大宮の小林慶行選手です。プレーに派手さは見られなかったものの、この試合の明暗を分けた中盤で視野の広いディフェンスとパスカット、勝利に不可欠な運動量とバランサーとしての動きが光りました。
 具体的なコメントや落ち着いた語り口からも感じられるように、キャプテンとしてチームの精神的な大黒柱なのでしょうね☆


 最後に、北京オリンピックで快進撃を続けるなでしこジャパンに触れます。
 GL突破を決めたノルウェー戦、ベスト4を決めた中国戦、どちらもなでしこジャパンの持ち味である連動と技術力が発揮された最高の試合でした。
 次の相手は再びGLで対戦したアメリカですが、0-1で敗れた前回対戦とは状況が違います。強豪相手に大差で勝つことも出来るという自信、そして何よりチーム力の充実があります。
 最高の舞台で最強の相手との対戦を楽しんでほしいと思います!そして、願わくば胸のすくような快進撃が終わらないことを祈って……☆
※本コラムは毎週月曜+αの更新予定です。このコラムの感想をこちらまでお寄せください。

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