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G大阪、勝つしかない一戦で宇佐美をスーパーサブ起用も不発…「負けた気がしない」

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[10.21 ACL準決勝第2戦 G大阪0-0広州恒大 万博]

 絶対に勝利が必要だった一戦。ただ、ガンバ大阪はFW宇佐美貴史を温存するという作戦に出た。出番がやってきたのは後半15分。しかし、26分に左サイドから切り込んで放ったシュートは惜しくも枠外へと外れる。守りを固められてスペースがない中では宇佐美の良さが生かせない。エースのスーパーサブ起用は不発に終わった。

 ベンチスタートの理由はやはりコンディション面が考慮されたものだった。長谷川健太監督は、「貴史は(13日に)代表でイラン戦に出ています。帰ってきて、浦和戦を戦って中3日ですから」と説明。「スタートから出て、大事な時間帯で足が止まってしまっては、我々の武器というものが生かしきれない。相手の疲労が見えたころで使えば、ダメージを与えることができるんじゃないかと感じたからです」と意図を語った。

 このプランは宇佐美には前日に告げられていた。大事な一戦のベンチスタートに悔しさはあったが、「どちらにせよ決断するのは監督。その中でベストを尽くすのみ」と言い聞かせて、試合に臨んだ。

「負けた気がしない。悔しさが募るゲームになってしまった。惜しいシュート?ああいうシーンを決めてればと思う。不完全燃焼?チームとしてそういう気持ちにならざるを得ないようなゲームだったと思うし、(選手も)もう少しで手が届きそうだったというのは感じていると思う」

 今季の宇佐美はJリーグ第1ステージで13得点を挙げるなど、得点王の活躍を見せた。ただ夏場以降はコンディションを落として、第2ステージは第14節を終えて6ゴールと半減。年間得点王の座もトップFW大久保嘉人に大きく水をあけられてしまった。チームの過密日程、そして日本代表活動も並行して行わなければならず、ハイパフォーマンスが維持できない難しい状況にあることは容易に理解できる。

 しかしそれもトップクラブのトッププレーヤーである宿命。「チームとして今年一番取りたかった、一番大事にしていたタイトルが終わってしまいましたが、残っているタイトルは可能性がある限り、獲りにいきたい」。G大阪の、そして日本のエースとなるべく、宇佐美が歩みを止めるわけにはいかない。

(取材・文 児玉幸洋)

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