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歓喜より安堵!? 決勝点導いた宇賀神「パスと言いたいけど…」

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[4.5 ACLグループリーグ第5節 浦和 1-0 広州恒大 埼玉]

 決勝弾を導いた。しかし、ゴールが決まった瞬間、浦和レッズMF宇賀神友弥は喜びを爆発させるのではなく、安堵の表情を浮かべていた。

 スコアレスで迎えた後半7分、宇賀神に決定機が訪れる。MF阿部勇樹のサイドチェンジを受けたMF関根貴大が右サイドからクロスを送ると、ファーサイドに走り込んだ宇賀神は迷いなくシュートを選択。だが、右足ダイレクトで合わせたシュートは枠を外れるコースへと飛んでしまう――。

「宇賀神さんが完全にシュートを打つと思ったので、詰めようとしていた」と、ゴール前に走り込んでいたFW武藤雄樹だったが、ボールは「僕のところに飛んできた」。予期せぬ出来事だったかもしれないが、宇賀神のシュートコース上にいた武藤は瞬時にヘッドで合わせ、昨季王者である広州恒大を下す決勝ゴールを叩き込んだ。ゴールを奪った武藤はサポーターの元へと走り出し、チームメイトと歓喜を爆発させる。

 一方の宇賀神は両手を挙げて喜びを表したものの、歓喜の輪には加わらずにベンチへと向かうと、安堵の表情を見せていた。「あれはパス、と言いたいところですが、シュートでした。本来であれば自分で決めないといけない」。結果的に武藤がゴールに押し込んだものの、「武藤が仮にあそこでオフサイドになれば、チャンスをフイにしていた。自分がちゃんと決めないといけない場面だった」と値千金のゴールを導きながらも反省しきりだった。

 だが、宇賀神がシュートを打たなければ、このゴールは生まれなかった。だからこそ、殊勲の武藤は、こう答えている。「ナイスパスってことにしておきます」と――。

(取材・文 折戸岳彦)

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