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明暗分かれた両指揮官…ミシャ「お金ですべては買えない」、フェリポン「我々は神じゃない」

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[4.5 ACLグループリーグ第5節 浦和 1-0 広州恒大 埼玉]

 試合後、両指揮官の表情は対照的だった――。

 後半7分に生まれたFW武藤雄樹の決勝ゴールで1-0の完封勝利を収め、2位に浮上した浦和レッズペトロヴィッチ監督は、満足気に試合を振り返った。「両チームともに攻守の切り替えが早く、テンポも速い好ゲームだった。ただ、試合全体の内容を見れば我々が相手を上回れたシーンが多いゲームだった」。

 昨季アジア王者に輝いた広州恒大は今冬、スペインのアトレティコ・マドリーからコロンビア代表FWジャクソン・マルティネスを約55億円で獲得。さらにブラジル代表で32キャップを刻むMFパウリーニョ、同代表キャップを持つFWリカルド・グラルと強力なメンバーをそろえる。さらにJ・マルティネスの年俸は一人で浦和選手の総年俸を払えると話題にもなった。

 “爆買いの王様”広州恒大からの価値ある勝利を収めたことで、ペトロヴィッチ監督は「相手には3人の素晴らしい外国人選手がいるが、我々はチームで上回れたし、サッカーの世界はお金ですべては買えないということを証明できた」と白い歯を見せた。

 一方の広州恒大ルイス・フェリペ・スコラーリ監督の口は重かった。「浦和はすごく勇敢に戦った。心からおめでとうと言いたい」と勝利した浦和を称賛しながらも、4戦未勝利で最下位に沈む現状に話が及ぶと、「我々は神のようなチームではないし、毎回優勝するとは限らない」と表情を厳しくさせた。過去3大会で2度アジア王者に輝いた広州恒大は、次節にも初の予選敗退が決まる崖っぷちに追い込まれている。

(取材・文 折戸岳彦)

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