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進化を続けるドリブラー…浦和MF関根が五輪に懸ける思い

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[4.5 ACLグループリーグ第5節 浦和 1-0 広州恒大 埼玉]

 進化を続けている。浦和レッズの下部組織からトップチーム昇格3年目を迎えたMF関根貴大はシーズンを通してレギュラーを張った昨季を経て、さらに凄みを感じさせるプレーで右サイドを駆け抜けている。

 Jリーグでは初の開幕スタメンを飾るだけでなく、キレ味鋭いドリブル突破で幾度となく好機を創出。「ボールを受ける前から、このタイミングで仕掛けようと思っている」と1対1での勝負ならば積極的に仕掛け、その多くで対峙する選手を手玉にとる。そしてドリブルだけでなく、「簡単にはたくところでははたく。その判断が大事」と周囲を生かすことも忘れない。本人も今季の出来には手応えを感じているようで、「去年よりも安定感が出てきた。自分でも波があまりないような感じがするので、それが自信になっていると思います」と胸を張った。

 そして迎えたACLグループリーグ第4節広州恒大戦でも、決定機を生み出した。後半7分、MF阿部勇樹からのサイドチェンジを右サイドで受けると、「最初は中に行くプレーを見せていたけど、勝負どころで縦に行ければいいと思っていた」と一気に加速して縦に仕掛ける。相手DFを抜き切る前に鋭いクロスを供給すると、MF宇賀神友弥のシュートをFW武藤雄樹が押し込んで決勝ゴールが生まれ、チームは昨季王者に1-0の完封勝利を収めた。

 浦和で着実な成長を遂げる一方で、U-23日本代表には定着できず、1月に行われたAFC U-23選手権(リオデジャネイロ五輪アジア最終予選)では登録メンバーから外れて涙をのんだ。3月のポルトガル遠征ではメンバーに招集されたものの、3月25日のU-23メキシコ代表戦では後半25分から訪れた出場機会で持ち味を発揮できなかった。しかし、2-1とリードした状況で相手に押し込まれる時間帯が続いたこともあり、「あの時間帯、あの状況というのはすごく難しい状況だったけど、自分の良さを出せない中で守備でどう頑張れるかが大事だった」と状況に応じた対応でチームに貢献しようと奮闘していた。

 五輪に懸ける思いは強い――。「サッカーをしている選手なら誰もが出場したいはず」と語る大会は、年代別代表でプレーするラストチャンスとなる。だからこそ、「同世代の選手と一つの目標に向かって戦いたい。そこで日本のサッカーを見せ付けたいし、自分のプレーを見せたい」と五輪出場への意欲を燃やす。

 しかし、メンバーに選ばれなければ五輪には出場できない。そして、メンバー入りを果たすためには浦和で結果を残すだけでなく、「代表に呼ばれたときに、どれだけやれるかが重要」と決意を語る。「浦和でどれだけやっても、代表に行ったら全然ダメだねと言われたら、そこまでの選手だと思われる。代表のサッカーにも適応して、自分の良さをアピールできるような選手になりたい」。大舞台に立つ機会をつかむため、さらなる進化を誓う。

(取材・文 折戸岳彦)
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