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奈良がPK献上で退場…主力温存の川崎Fは2戦連続ドロー、女性監督のイースタンにACL初勝ち点献上

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川崎Fは2試合連続引き分けに終わった(写真は大宮戦のサポーター)

[3.1 ACLグループリーグ第2節 イースタンSC 1-1 川崎F 旺角]

 AFCチャンピオンズリーグ(ACL)は1日、グループリーグ第2節を行った。G組の川崎フロンターレは敵地でイースタンSC(香港)と対戦し、1-1で引き分けた。なお、川崎Fの第3節は14日に行われ、敵地で広州恒大(中国)と対戦する。

 初戦は水原三星(韓国)と1-1で引き分けた川崎Fは、2月25日のJ1第1節・大宮戦(2-0)から中2日で迎えたこの試合に、MF中村憲剛やFW家長昭博らを帯同させず、先発はDF車屋紳太郎を除く10人を変更。4-2-3-1のシステムでGK新井章太がゴールを守り、最終ラインは右からDF舞行龍ジェームズ、DF井川祐輔、DF奈良竜樹、車屋が並び、MF森谷賢太郎とDF板倉滉がボランチに入った。2列目は右にFWハイネル、左にMF三好康児、トップ下にはMF狩野健太が入り、1トップはFW森本貴幸が務めた。

 川崎Fは立ち上が入り、昨季の香港プレミアリーグでチームを優勝に導き、ACL史上初の女性指揮官であるチャン・ユエンティン監督率いるイースタンに苦しめられた川崎F。それでも、徐々に落ち着きを取り戻し、前半9分に狩野の右CKから板倉がヘディングシュートを放つなど、ここから川崎Fの本領発揮かと思われた。しかし、試合を動かしたのは、香港のチームとして初めてACLに出場しているイースタンだった。

 イースタンは前半13分、裏を狙ったロングパスからPA内でFWマノロ・ブレダ・ロドリゲスが奈良ともつれながら倒れ、PKを獲得。さらに奈良にはレッドカードが提示され、退場となった。このPKをブレダ自らゴール右隅に流し込み、先制点。第1節の広州恒大戦は0-7で敗れたため、この得点が香港サッカー界にとって歴史的な1点となった。

 先制点を許し、さらに1人少ない状況となった川崎Fは、板倉が最終ラインに入り、狩野が1列ポジションを下げて対応。前半21分、三好が相手が寄せてこないとみるや、PA手前から左足を振り抜くもゴール右に外れる。同29分にも、三好のワンタッチパスから森本が左足ミドルシュートを放つも相手GKの正面に飛んでしまい、ゴールネットを揺らすことができない。さらに前半終盤に向けては、セットプレーの機会が増えるが、同点に追いつけず、0-1で前半を終えた。

 鬼木達監督は、後半開始から狩野に代えて、MF田坂祐介を投入。田坂が右サイドバックに入り、舞行龍がセンターバック、板倉がボランチに戻った。すると、田坂が立て続けにチャンスを演出する。まずは同4分、田坂の浮き球パスに反応した三好がPA右から右足シュート。これは角度がなく、GKに弾き出され、直後に田坂が右足アウトサイドにかけた浮き球パスをゴール前に送るも、裏を取った森本にわずかに合わなかった。

 それでも、数的不利を感じさせない積極的な入りをみせた川崎Fが同点に追いつく。後半7分、右サイドから田坂が低い弾道のクロスを入れると、ハイネルがゴールを背にした状況からボールをキープし、板倉の動きに合わせてループパス。このボールに相手GKも飛び出していたが、板倉がスライディングで押し込み、1-1。U-20日本代表候補に選出された板倉がいい時間帯にゴールネットを揺らした。

 逆転を目指す川崎Fだが、自陣でのミスが目立ち、思うように攻撃を仕掛けられない。後半12分、DFロベルトのクロスバー直撃のヘディングシュートを浴びると、同22分には、左CKからDFジョシュ・ミッチェルに決定的なヘディングシュートを打たれるも、ライン上で森本がヘッドでクリアし、ピンチを逃れた。流れが悪い川崎Fは、直後の24分に三好を下げて、公式戦2試合連続ゴール中のFW小林悠をピッチに送り込んだ。

 1人少ないが終盤に向けて川崎Fが猛攻。後半35分に森谷、同36分にハイデルがシュートを浴びせるが、ともに相手GKに阻まれ、逆転の1点が遠い。同38分には、板倉に代えてMFエドゥアルド・ネットをピッチに送り込んだが、得点は生まれず。さらに、終了間際にハイネルがこの日2枚目の警告を受けて退場となり、1-1のまま試合は終了。川崎Fは2試合連続引き分けに終わった。一方、イースタンはACLで初の勝ち点を獲得した。


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