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大会MVPにも複雑?浦和MF柏木「僕じゃない」

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大会MVPに選ばれたMF柏木陽介

[11.25 ACL決勝第2戦 浦和1-0アルヒラル 埼スタ]

 浦和レッズのMF柏木陽介が大会MVPに選ばれ、試合後、記者会見に出席した。「MVPを取れたことは非常にうれしく思っている」。そう第一声を口にすると、「個人的には僕じゃなかったかなという気持ちが強いので、複雑な気持ちもある」と本音も漏らした。それでも「みなさんに選んでもらって受賞したので、素直に喜んで、今後、この賞に恥じないプレーをしていきたい」とあらためて誓った。

 いつものインサイドハーフではなく、ダブルボランチの一角として先発し、低い位置から組み立てに参加した。後半28分には自ら獲得したFKで決定機を演出。PA左手前から左足で精度の高いクロスを送り、FW興梠慎三が頭で合わせたが、GKのビッグセーブに阻まれた。それでもチームは後半43分にFWラファエル・シルバが優勝を決定づける決勝点。2試合合計2-1で10年ぶり2度目のアジア制覇を成し遂げた。

 柏木にとっては昨年のルヴァン杯に続いて2つ目のタイトル獲得。「いいチームとばかり試合をしてきた。アウェーではなかなか結果を出せず、ホームで結果を出すというのが続いてきた」。そう大会を振り返るとおり、グループリーグはホームで3戦全勝だったが、アウェーは1勝2敗。決勝トーナメントに入ってからはすべて第1戦がアウェーゲームで、結果として1勝も挙げられなかったが、ホームで全勝し、頂点まで上り詰めた。

 決勝トーナメント1回戦は第1戦で済州ユナイテッド(韓国)に0-2で敗れたが、ホームで延長戦の末、3-0勝利をおさめ、逆転突破。準々決勝第1戦も敵地で川崎Fに1-3で敗れながら、ホームでの第2戦に4-1で勝ち、再び大逆転を果たした。準決勝は敵地での第1戦で上海上港(中国)と1-1で引き分けたが、ホームで1-0。そして決勝も第1戦は敵地で1-1だったが、ホームでしっかり勝ち切った。

「チーム力でまさったと思うし、埼玉スタジアムがもたらしてくれるものだと思う。浦和レッズ全体としての素晴らしい力だと思っている」。7戦7勝と圧倒的な強さを誇ったホームゲーム。それを支えたサポーターの力が10年ぶりアジア制覇の原動力であったのは間違いない。

(取材・文 西山紘平)

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