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なくなった“迷い”…川崎Fの左サイド切り裂く長谷川「それが変化のきっかけ」

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川崎Fの左サイドを切り裂いたMF長谷川竜也

[3.13 ACLグループH第2節 川崎F1-0シドニーFC 等々力]

 迷いがなくなり、切れ味は増した。川崎フロンターは左サイド攻撃から豊富なチャンスをつくったが、その中心にMF長谷川竜也が君臨した。

 細かいタッチ、切れ味鋭いドリブルで何度も果敢に仕掛けた25歳は前半12分、後半13分にカットインから決定的な右足シュート。惜しくも得点には絡めなかったが、攻撃のアクセントとして機能。好調の陰には、意識の変化があったようだ。

「今までは、フロンターレに何となく合わせた方がいいという気持ちがどこかにあった」。正確にパスをつなぐポゼッションスタイルにおいて、リズムを変える自らの“武器”を出し切れずにいたが、「自分らしさを表現しよう」と覚悟を決めるきっかけが訪れた。

 FWレアンドロ・ダミアンの加入により、今シーズンは左サイドの定位置争いが激化。「常に、どうしたら自分はもっと上のレベルにいけるのかを考えている」と話す長谷川はベンチ外が続いた状況を受け止め、自らにベクトルを向けた。

「自分がどう変化したらこのチームで試合に出られるか、というのを考えてやり続けた。思ったよりも早くチャンスがきた」。6日に行われたACL上海上港戦(0-1)で先発のチャンスをつかむと、この日もスタメン入り。まだ調子が上がらない攻撃陣の中で違いを見せ、再びアピールに成功した。

「いろんな人が助けてくれるし、厳しいことを言ってくれる人もいる。そういう声を真摯に受け止めることができたので、それが変化のきっかけになったのかなと思います」。ピッチ上で輝きを増す25歳はまだまだ進化の途中にある。

(取材・文 佐藤亜希子)
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