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ACL8強に導く今季初ゴールも…神戸の“パリ世代”FW小田裕太郎「全然満足していない」

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ヴィッセル神戸FW小田裕太郎

[8.18 ACL決勝T1回戦 神戸3-2横浜FM 埼玉]

 パリ五輪世代の主力候補、ヴィッセル神戸FW小田裕太郎の待ちに待った今季初ゴールはアジア8強をかけた重要な試合でもたらされた。

 2-1で迎えた後半31分、右サイドに流れたボールをMF飯野七聖が猛烈なスプリントで追いかけると、「あれをマイボールにしてくれたのがすごくデカかった」という小田はゴール前に侵入。MF大崎玲央のスルーパスに抜け出したMF山口蛍からの折り返しを右足ワンタッチで冷静に沈めた。

「蛍さんが突破した時、GKとディフェンスの間に入ろうと思ったけど、角度がないなと思ってマイナスに角度を作ろうと思った」。冷静なポジショニングに加えて、光ったのはフィニッシュの精度。「今シーズンは外しすぎているので……」と振り返ったとおり、ここまで公式戦18試合でノーゴールに終わっていたが、このACLの舞台でようやく初ゴールを掴み取った。

 昨季から決定的なチャンスを外す場面が目立ち、居残り練習などでシュートにはこだわってきたという小田。「何も考えずに力まず当てるだけ」という感覚を意識し、トレーニングを続けてきた結果、トーナメント戦で勝利に直結する仕事を果たすことができた。

 持ち味のドリブル突破には「抜いた後に『来たな』という意識がまだある」とシュートへの運び方に課題感があるという。それでも「そこをいい感じで力を抜いてリラックスしてやっていければ」と感覚的なものも育んでいる様子。まずはこの日の1ゴールを自信につなげつつ、満足せずに鍛錬を続けていく構えだ。

「いままでの試合で自分の良さを出せても結果が出せない試合が多かったので、ドリブルやスピードを見せつつ結果を出さないといけないと正直思っていた。今日はゴールという形で結果を出せてよかった。ただ、今まで外してきたので全然満足していない」。パリ五輪を目指す21歳は「ここからさらに積み上げられるように、そしてチームに貢献できるように頑張りたい」とさらなる活躍を誓った。

(取材・文 竹内達也)
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