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「ACLという舞台は特別」アジアでも輝く浦和MF伊藤敦樹、“運ぶ意識”で2ゴール演出

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MF伊藤敦樹

[8.22 ACL準々決勝 浦和 4-0 パトゥム・U 埼玉]

 2-0とリードしながらも劣勢になりかけていた後半、浦和レッズの勝利を決定づけたのはMF伊藤敦樹のパフォーマンスだった。

 まずは後半20分、相手CBからの縦パスをインターセプト。「前半から左利きのセンターバックからは狙っていた。わざと空けておいて狙っていい形でボールが取れた」。そこから前方にドリブルで運び、最後は冷静な横パスでMF小泉佳穂のゴールをアシストした。

 さらに27分、今度はMF岩尾憲からの縦パスを狭いスペースで引き出すと、再び前を向いてドリブルを開始。最初はFWキャスパー・ユンカーへのパスを狙っていたが、相手の動きを見てFW江坂任への横パスに判断を変え、そこからMF明本考浩のゴールにつながった。

 いずれも際立ったのはボールを前に運ぶプレー。「最近は前が空いていたら運ぶことは意識している。自分が運ぶことでディフェンスの陣形も変わるし、そこからチャンスの回数が増えている感じがあるので自信につながっている」。日頃からの意識も実った2ゴールだった。

 そんな伊藤の活躍もあり、浦和は3年ぶりの準決勝進出が決定。プロ2年目の伊藤にとっては初めての準決勝となるが、幼少期から浦和サポーターであり続けてきた男にとっては、ずっと夢に見てきた舞台だ。

「自分にとってもACLという舞台は特別だし、小さい頃から浦和レッズを応援してきて、ACL優勝もしているし、決勝で負けたのも見ている。アジアの舞台でレッズが戦っているのはファン・サポーターにとっても特別だと思うし、自分にとっても特別な舞台。満員の決勝のスタジアムの雰囲気をスタンドで感じていて、あの時にこのユニフォームを着てピッチに立ちたいと思った」

 2007年の初優勝時は決勝進出の瞬間をスタンドで見届け、初めて決勝で敗れた19年もスタジアムで悔しさを味わったという伊藤。2日後に控える全北現代との準決勝へ、「その舞台に行けるチャンスがある。まだ何も成し遂げていないし、次に勝たないと意味がないので、そこに向けて中2日だけどしっかりリカバーして、絶対に勝って決勝に行きたい」と決意を語った。

(取材・文 竹内達也)
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