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「ベンチ外も続いて…」悔しさぶつけた浦和MF関根貴大が先制点アシスト!

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浦和レッズMF関根貴大

[8.22 ACL準々決勝 浦和 4-0 パトゥム・U 埼玉]

 今の思いを、プレーに全面的にぶつけた。4-0と大勝した浦和レッズでひときわ重厚な存在感を示したのは、公式戦4試合ぶりの先発となったMF関根貴大だった。

「僕にはチャンスの試合だった。やり切りたい気持ちだった」

 そう振り返ったように、立ち上がりから結果を残そうという気迫にあふれていた。その気持ちが32分の先制点につながった。左サイドを持ち上がった関根が中央エリアへパスを出すと、DFに囲まれていた松尾佑介がスルーしてモーベルグに通り、これをモーベルグが決めて先制に成功した。

「あの場面は、松尾とずっと話していて、(自分が)中に入ったら松尾に当てて潜るということをお互いに意識していたのですが、そこであいつ(松尾)が判断してスルーしたのが素晴らしかったと思います」と、浦和ユース時代の2つ下の後輩を褒め称えた。

 悔しさをぶつけ、形にした90分間でもあった。

「(ベンチスタートだった)前の試合に限らず、ベンチ外も続いてましたし、ほんとに今日はチャンスだったので、そういう思いも持ちながらやってました」

 惜しむらくは前半25分のゴールが取り消されたこと。左サイドから得意のドリブルで中へ持ち運び、相手DFの隙間を射貫いてネットを揺らしたが、味方がオフサイドポジションにいたとされてノーゴールとなった。

「たまにしか決めないんで、ゴールにしてくれよって思いましたけど、まあ、そこで気持ち切らさずにやれたのは良かったかな。ただ、もっとやれた部分もあっただろうし、チャンスメイクできたら良かったかなという場面もあったので、そこはもっと結果を残したかったなと思います」

 相手チームの指揮官が、2016年リオデジャネイロ五輪でU-23日本代表を率いた手倉森誠監督だったという奇遇もあった。リオ五輪世代の関根はルーキーイヤーの2014年から浦和でレギュラーとして大活躍していたものの手倉森構想には入らず、年代別代表合宿に何度か呼ばれたが五輪メンバーには選出されなかった。

 その手倉森監督がこの日の試合後の会見で「(リオ五輪世代の)岩波(拓也)と関根に会って嬉しかった」と話していたと聞くと「(五輪に)選ばれてないんで、なんとも…」とポツリ。試合後には手倉森監督から「今日、いきなりなんでスタメンなの?」と聞かれたと言い、「試合に出て、ああいうプレーを見せれたことは良かったのかな」と笑顔を見せた。

 中2日で行われる準決勝の相手は全北現代。「いいコンディションを保てるように全員が調整していければ」と意気込んだ。

(取材・文 矢内由美子)
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