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浦和沸かせた延長120分のドラマ!! 劇的弾に饒舌ユンカー、ポスト直撃“決定機逸”は「もっと長くプレーしたかったから」

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FWキャスパー・ユンカーが劇的な同点ゴール

[8.25 ACL準決勝 浦和 2-2(PK3-1) 全北現代 埼玉]

 1点ビハインドの延長後半15分、浦和レッズを絶体絶命の窮地から救ったのは途中出場のFWキャスパー・ユンカーだった。「後半の終わりに大きなチャンスを外してしまったが、ゴールでチームに貢献できるのは一番喜ばしいこと。自分がチームを助けられたことに満足している」。PK戦でも見事なキックで重責を果たし、3年ぶりのACL決勝への扉を開いた。

 今大会ではスーパーサブ起用されているユンカーはこの日、後半34分からの出場。1-1で試合が進んでいく中、投入序盤から多くのチャンスが訪れていた。ところが相手の鬼気迫る守備の影響か、後半37分のMF大久保智明のスルーパスに抜け出した場面、同45分過ぎの江坂の浮き球パスを受けた場面と、シュートはことごとくゴールに至らない。さらにはアディショナルタイム7分、江坂のワンタッチパスにフリーで反応するも、左足キックは無情にも左ポストに弾かれた。

 この決定機逸が響き、試合はそのまま延長戦へ。浦和は足が止まった全北を攻め立て、ほとんどボールを握り続けていたが、延長後半10分にセットプレーの対応を突かれて失点。絶体絶命の状況に追い詰められた。

 このまま終わればユンカーのシュートミスが悔やまれる展開。だが、最後はストライカーの使命をしっかりと果たした。右サイドでDF酒井宏樹が懸命に残したボールを味方がつなぎ、MF明本考浩のヘディングシュートは相手GKに阻まれたが、このこぼれ球にユンカーが反応。最後は冷静なフィニッシュでニアポスト脇を撃ち抜いた。

「角度的には少し難しい角度だったけど、フォワードにとってこぼれ球をしっかり押し込むのは非常に重要な仕事。それができて満足している」。延長戦では多くのチャンスが訪れたわけではなかったが、神経を研ぎ澄ま背ていたユンカー。「90分近くの時に大きなチャンスを外してしまって、メンタル的に左右されずに延長戦でのゴールを決められた。冷静さを保つことがストライカーとして重要な要素」と自身のメンタリティーを誇った。

 また運命を分けかねなかった後半終了間際の決定機逸も、終わってみれば結果オーライ。取材エリアでその場面を問われたユンカーは「単純にもうちょっと長くプレーしたかったから。10分だけで終わらせたくなかった」と饒舌に振り返った。

(取材・文 竹内達也)
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