beacon

横浜FM在任時に出場権掴んだACLEで3度の再会…上海海港マスカット監督「あれだけ強い絆ができたら、その絆が壊れることはない」

このエントリーをはてなブックマークに追加

ケヴィン・マスカット監督

[3.11 ACLE決勝トーナメント1回戦 横浜FM 4-1 上海海港 横浜国]

 横浜F・マリノスに2戦合計スコア1-5で敗れ、AFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)ベスト16敗退が決まった上海海港(中国)のケヴィン・マスカット監督は試合後、かつて2年半にわたって指揮した古巣・横浜FMサポーターの前に出向き、大きな歓迎の拍手を受けた。

 現在上海海港の指揮を執るマスカット監督は2021年夏、セルティックへの電撃就任が決まったアンジェ・ポステコグルー氏の後任として横浜FMの監督に就任。翌2022年に3年ぶりのJ1リーグ王者に導くと、23年にも秋春制移行の前身大会ACLとの過密日程を強いられながらも2位躍進を果たし、同年限りで退任した。

 新方式となった今大会の出場権はマスカット氏が率いた23年のJ1リーグ2位によって掴んだもの。また横浜FMは昨季、前身大会のACLでクラブ史上初の決勝進出を果たしていたが、これもマスカット氏がグループリーグまで率いた後、その土台を受け継いだハリー・キューウェル前監督によって成し遂げられた偉業だった。

 そんなマスカット氏は今大会、横浜FMと3度にわたって対戦。それもリーグステージ最終節に0-2で敗れたことが敗退危機に瀕していたはずが、山東泰山の辞退によって8位での生き残りを果たし、ラウンド16でもホーム&アウェーの対戦が巡ってくるという異例の3連戦によるものだった。

 この日の試合後の記者会見でマスカット氏は報道陣の質問に答える形で古巣・横浜FMにも言及。前回大会での戦いぶりについて「決勝でトロフィーを掲げてもらいたいと自分も望んでいた。それはもちろん自分だけでなく、マリノスに関わる全てのスタッフも、ファンも期待していたと思う。自分自身、遠く離れていたところから試合を見て、勝ってほしいと思っていた」と熱を込めて振り返りつつ、今大会へのエールを送った。

「残念ながら(昨年は)そうはならなかったが、今日の試合に勝っているので、今年またチャンスがある。今日の(対戦相手としての)試合が終わったので申し上げるが、一つのクラブと仕事をして、いろんなものを培って、あれだけ強い絆ができたら、その絆が壊れることはない。幸運を祈っているし、成功してほしいと思っている」

 最後は上海海港に目を向けて「自分がいま責任を持っているのは上海海港だ。国内リーグも控えているので、マリノスを遠くから応援しながら、自分のチームをこれから改善し、よくしていきたいと思っている」と決意も新たにしたマスカット監督。報道陣からの拍手を受けながら、2年半を過ごした古巣・横浜国際総合競技場を後にした。

(取材・文 竹内達也)

●ACLE2024-25特集
竹内達也
Text by 竹内達也

「ゲキサカ」ショート動画

TOP