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ACLE大一番で復帰した川崎F大島僚太「常に準備はしつつ、自分の体と相談しつつ」指揮官が称えた背番号10の効果

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MF大島僚太

[3.12 ACLE決勝T1回戦第2戦 川崎F 4-0 上海申花 等々力]

 アジア制覇に向けた大一番で約4か月ぶりの出場となった。川崎フロンターレMF大島僚太は昨年11月22日のJ1第28節・浦和レッズ戦以来の出場。「常に準備はしつつ、常にここだろうと思いながら、自分の体と相談しつつだった」と振り返った。

 前半21分にはゴール前で絶好機を決め切れなかった。右サイドからDF佐々木旭がクロスを上げ、PA中央に詰めた大島がグラウンダーのボールをダイレクトシュート。相手GKに阻まれたが、「入ったら事故だなと」と冷静さは失わない。中盤でボールを司り、攻撃のタクトを振り続けた。

 2-0で迎えた後半23分には得点に絡んだ。左サイド敵陣近くで、大島がPA左に向けてアウトサイドキック。MF脇坂泰斗がスルーしたボールを、FWマルシーニョが深い位置から折り返し、最後はFW伊藤達哉が決め切った。

 川崎Fの10番から生まれた川崎Fらしいとも言える得点。それでも「(狙いは)特にない。泰斗がスルーしてくれたのでうまくつながった」と淡々と振り返る。「ただ、その距離にみんなが、(三浦)颯太もわりと近くにいたと思う。そんな距離感のところはよかった」。大島の一本のパスからチームは意識を共有。各々の連動した動きが、伊藤のゴールにつながった。

 長谷部茂利監督も「非常によかった」と称賛。大島が入る効果として、攻撃面以外の守備や連係面を挙げた。

「彼に託していることは、長所を出してもらうこと。ボールを扱う技術は非常に高く、ゲームを握りながらチームを動かしていく。それはチーム随一。それ以外にも彼が入ることで周りが生きてくる。攻守の切り替え、守備も相当よくやってくれた」(長谷部監督)

 後半27分に途中交代し、ピッチ外で勝利を見守った。大島は「チームとして勝ててよかった」と喜びを示しつつ、4月からサウジアラビアでの一斉開催となる準々決勝以降の戦いに目を向ける。「次からは一発勝負。今回は0-1から逆転するチャンスがあった。(サポーターも)相手にやりづらい雰囲気を作ってくれた。そういう意味で、神経をすり減らしながらの戦いになると思う」。悲願のアジア制覇を目指し、背番号10は再び準備を整えていく。

(取材・文 石川祐介)


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石川祐介
Text by 石川祐介

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