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流経大柏からU-17W杯へ。候補合宿メンバー選出のMF藤井、「遠い存在」だった代表生き残りに挑戦

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流通経済大柏高からU-17ワールドカップメンバー入りを狙うMF藤井海和(左)とGK松原颯汰

 今冬の選手権準優勝校・流通経済大柏高(千葉)は同大会でGK松原颯汰、SB清宮優希、MF藤井海和、そしてFW森山一斗の1年生4人が先発出場を経験した。特に松原と藤井は全5試合で先発出場。松原はシュートストップやクロスの対応で強みを発揮し、ボランチを務めた藤井は期待されているボール奪取の部分に加えて好パスも連発した。2人は大会優秀選手に選出(1年生は松原と藤井のみ)。その後、松原はナショナルGKキャンプメンバー、藤井は日本高校選抜候補に選ばれている。

 彼らにとって、次の1年間での最大の目標は今冬あと一歩で逃した選手権制覇。一方で、今年の秋に開催予定のU-17ワールドカップに出場することも目標に掲げている。松原と藤井はいずれもU-17ワールドカップに出場するU-17日本代表の大枠の候補に入っており、藤井は今月13日に発表されたU-17日本代表候補合宿メンバーに初選出。「ビックリしたというのもあるんですけれども、素直に嬉しいし、自分がどのくらい通用するのか試せるので自分では良い機会だと思っています」と意気込んでいる。

 藤井は入学直後の昨年4月、プレミアリーグEAST第2節で先発に抜擢。そこから経験を重ねながら成長と遂げてきた。代表チームは「小学校からサッカーをやっているんですけれども、都トレセンとかも入ったことがないので、代表は雲の上の存在というか、自分にとっては目標でしたけれど、ありえないという位置にあった」というが、名門で先発出場を続けたことでそれは現実的な目標に。そして選手権で“1年生離れした”落ち着き、そして中盤の柱と言えるような活躍を経て今回、チャンスを掴んだ。

 1月の日本高校選抜選考合宿は初日にボール奪取から攻撃の起点になるなど素晴らしいプレーを見せるも、求められるものの多さや慣れないシステムに苦戦。「自分の中で硬くなってダイナミックなプレーができなくなった」ことで最終メンバーに残ることができなかったと感じている。

 その悔しさも糧に今回はより必死になって食い下がっていく。「今年の目標としていたのが、日本代表に入りたいというのがあったので、絶対に入りたいと思っていますし、自分が代表に入って経験を持って帰ってくれば、チームもレベルアップすると思うので、チームのためにも、自分のためにも代表入りしたいと思っています。自分は中盤でのボール取りのところとかを評価されていると思うので、そういうところでアピールしていきたい」と力を込めた。

 現在負傷離脱中の松原も復帰して代表入りに挑戦する意気込みだ。「(GKでは)野澤大志ブランドン選手や山田大樹選手とかが入っているので毎回入っている人に勝ちたいという気持ちがあります。ワールドカップのメンバーに入って貢献できればいいと思います」。森山や清宮、他の新2年生たちにもまだチャンスはある。もちろん、昨年のアジア優勝メンバーに勝ってポジションを奪うことは簡単ではない。それでも、名門・流経大柏や代表チームでアピールを続け、競争を勝ち抜いて、U-17ワールドカップ出場の切符を掴む。 


(取材・文 吉田太郎)

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