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FW上田綺世が決意の今季初ゴール「鹿島で勝利に導けない選手は代表でも同じ」

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鹿島アントラーズFW上田綺世

[4.7 J1第8節 鹿島2-1柏 カシマ]

 無念の負傷離脱を経て、ようやく奪った今季リーグ戦初ゴールだった。貴重な先制点で鹿島アントラーズに5試合ぶりの白星をもたらしたFW上田綺世は試合後、チームが不振に陥る中でも「あくまでも僕らは優勝を目指している」ときっぱり語った。

 0-0で迎えた後半18分、上田は中央でボールを持ち上がったMFファン・アラーノからのスルーパスに反応した。

「ファンが前を向いたタイミングで、ファンの運び方と特徴を加味した上でどういう動き出しをしようかなというのがあって、いろんな選択肢を出せるポジショニングをまず取った。その後、ファンの運び方と体の向きを加味して選択した動き出しがうまくファンと合って、それがゴールにつながった」。

 絶妙なタイミングでパスを引き出すと、韓国代表GKキム・スンギュの目前でボールを持ち出し、シュートコースを自ら創出。最後は落ち着いた右足シュートで右ポスト脇に落ち着いて流し込んだ。

 上田にとってはこれが今季リーグ戦での初ゴール。開幕節の清水戦(●1-3)で負傷し、1か月弱という離脱期間も経てきたが、ようやくストライカーとしての本格的なスタートを迎えた。チームは直後、シーズンを通して課題となっているビルドアップのミスから失点したが、後半43分、MF白崎凌兵のミドルシュートで再び勝ち越し。上田のゴールは空砲とはならず、5試合ぶりの白星につながった。

 試合後、オンライン取材に出席した上田は「この試合に勝つということはもともと目指していたところで、特にあれということはない」と過度な喜びは抑制しながらも「ただ、1点を取って追いつかれるのは開幕からの改善点だった。でもそこでもう一点取れたのはこれまでとは違うところ。僕らの粘り強さが戻ってきたということ」と収穫を指摘。「こういう試合を継続してやっていかないといけない」と力を込めた。

 その上で「課題はいっぱいあるけど、チームの中でも改善しながら、もっともっとビルドアップとか自分たちがやろうとしていることから得点を取れればもっといい流れになる」と期待も語った。

 チームはここまで2勝1分4敗。この日はサポーターから「なんのために俺達がいるの?」という批判的な“上書き横断幕”も出されるなど、クラブを取り巻くムードが落ち込んでいるのは言うまでもない。ただ、そうした重圧を感じながらも、上田は高みを目指すことを諦めるつもりはない。

「あくまでも僕らは優勝を目指しているし、毎試合の勝利の重さは負けるたびにひしひしと感じている。それはもちろんサポーターの皆さんもだし、鹿嶋全体のこと。優勝を目指すということは毎試合プレッシャーもあって、だからと言って簡単に勝てるわけではない。だからこそ、こういう1勝をしっかりと大事にして、良かったところをこれからも継続しながらやっていきたい」。

 そう意気込みを語った上田は「改善点もいっぱいあるし、(解決には)時間がかかるかもしれないけど、一緒に戦ってほしい。ホームでまたこういうふうに試合後みんなで笑えればと思う。次はアウェーだけど全身全霊で戦っていきたい」とサポーターへもメッセージを送った。

 とにかく鹿島を勝たせること——。そうした覚悟は五輪代表への思いからもにじみ出ていた。上田は3月下旬に行われたU-24日本代表のアルゼンチン戦では、負傷の影響もあって招集外。FW林大地(鳥栖)らが奮闘を見せ、ストライカー枠の競争はさらに激化しているが、気後れするつもりはない。

「怪我をしたのも僕の実力だし、それで呼ばれなかったかどうかはどちらでもいい。結局、チームの勝利に貢献し続けるのがすごく大事。僕のチームはあくまでも鹿島なので、鹿島で勝利に導けない、活躍できない選手は結局代表に行っても同じだし、呼ばれないと思う。怪我をしているしていないも重要だし、怪我をしないのもいい選手。それも含めて鹿島で継続して活躍し続けることが最終的に(代表に)つながるんじゃないかと思う」。

 五輪本大会まであと3か月余り。母国開催のピッチで躍動するためにも、まずは鹿島で結果を出し続けるだけだ。

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