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[クラブユース選手権(U-18)]大宮ユースが2戦連続4発!過去最高タイの4強入りも、視線はその先「ニッパツで2試合勝って優勝します!」

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[7.28 日本クラブユース選手権(U-18)大会準々決勝 大宮ユース 4-0 札幌U-18 県立敷島]

 第39回日本クラブユース選手権(U-18)大会は28日、準々決勝を行い、プレミアリーグEAST勢対決となった大宮アルディージャユース(埼玉)対コンサドーレ札幌U-18(北海道)戦は大宮が4-0で快勝。05年大会以来、2度目となる準決勝進出を果たした。大宮は30日の準決勝(ニッパ球)で千葉U-18と戦う。

 決勝トーナメントはこれで2試合連続4ゴール。大宮はジュニアユース時代に2度全国決勝まで勝ち上がっている期待の世代が、堂々の勝ちっぷりで4強入りを決めた。前半は互いに相手ボールを奪うとポゼッションして保持する時間を長くする展開。札幌の方がよりシュートへの意識が高いように映った。そのなかで20分、大宮はミスを突かれて札幌FW徳田勘太(3年)に抜け出されてしまう。徳田はU-18日本代表候補GK加藤有輝(3年)をかわしたものの、右SB古谷優気(3年)にカバーされてシュートを打ち切れず、フォローしたMF高嶺朋樹(3年)の左足シュートは惜しくも枠の右外へ外れた。逆に大宮は29分、インターセプトしたMF長谷川元希(2年)がMF藤沼拓夢(3年)とスイッチ。最後は藤沼から再びボールを受けた長谷川の右足シュートがゴールを襲った。

 大宮はボールを握った際はほぼ2タッチ、3タッチで左右へ振り分け、縦パスも狙うMF山田陸(2年)中心にボールを動かし続けていた。スピードアップするようなシーンはわずかだったが、2度目の飲水タイムを終えた直後、「結構、札幌が内側締めてきていたので外が空きやすかった」という右MF松崎快(3年)が右サイドからドリブルで仕掛けて札幌の守りに穴を開ける。この1プレーのあと、明らかにギアを上げた大宮は34分、藤沼が仕掛けて獲得した左FKを長谷川が蹴り込む。これをCB北西真之(2年)がヘディングシュートでゴール左隅へ沈めて先制点を奪った。「飲水タイム直後にパワーをかける」という大宮狙い通りの先制点。伊藤彰監督も「切り替えのところだけは意識させていた。給水後のところでパワーかけていくというところは彼らが体現してくれた」と納得の攻撃でリードした大宮は一気に札幌を飲み込んでいく。

 38分には左サイドから中央へ仕掛けたFW川田拳登(3年)が強烈な右足シュート。このこぼれ球を拾った松崎がDFを外して左足シュートをゴールへ突き刺した。2-0とした大宮はさらに40分、左タッチライン際でボールを持ったU-18日本代表MF黒川淳史(3年)がループパス。これを受けた左SB朝妻佑斗(3年)が思い切りよく右足を振りぬくと、強烈なスピンのかかった一撃が逆サイドのゴールを破り、あっという間に3点差となった。

 札幌も後半、U-17日本代表FW菅大輝(2年)の左足シュートや右SB按田頼(3年)のヘディングシュートなどで反撃。だが、川田が放ったポスト直撃の右足ミドルなどで攻める大宮は27分、松崎が中央の川田へ預けると、左前方へ出されたスルーパスに反応する。これを松崎が左足で逆サイドのゴールネットへ決めて勝負の行方を決定づけた。大宮自慢の攻撃陣は今大会、1トップの川田と黒川、松崎、藤沼、長谷川というと2列目の4選手が万遍なくゴールを奪っている。伊藤監督は先に得点された際にも同じように攻撃できるかという点などを指摘した一方、「暑さもある。相手が暑くて動けなくて、自分たちがボール握っている分、前でパワー使えているというのは夏場のゲームには欠かせないことだと思います」と得点量産について笑みを見せる。またポゼッションで相手を上回りながら、試合終盤でもペースが落ちないチームについて指揮官は、ベンチに控えるMF高柳拓弥(3年)やFW小柏剛(2年)と言った「変わらない力を持っている」選手が控えている強みを口にしていた。

 強さを見せつけて勝利した大宮だが、特に前方に位置する5選手への信頼感は厚い。年代別日本代表の黒川や川田をはじめ、高い技術と連動性、決定力も兼備している5人。朝妻は「前のヤツらはヤバいです。前のヤツらがいるからこそ、自分らがあるんで。自分たち(主力組)が1失点で来ているのは、前のヤツらが回してくれているから。自分たちが守っている訳ではない。回していれば取られないので助けられている」と口にし、松崎は「相手がキツい時間帯に自分たちが行けたり、相手が疲れてグダッとしたときに自分たちがしっかりギア入れてショートコンビネーションとかで前の5人崩せるので、そういう部分でこの大会はいい感じでできていると思います」と思い通りの試合へ持ち込めていることを明かした。目標は過去最高タイの4強入りではなく、頂点。松崎は「ここまで来たし、予選(グループステージ)から強い相手とやって勢いもついている。(準決勝、決勝の行われる)ニッパツ(三ツ沢球技場)で2試合勝って優勝します」と力を込めた。

[写真]前半34分、大宮ユースはDF北西(16番)が先制ヘッド

(取材・文 吉田太郎)
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