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逆境で3年生たちが踏ん張る。浦和ユースがGL突破!

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前半アディショナルタイム、浦和レッズユースはFW波田祥太が追加点

[7.25 日本クラブユース選手権U-18大会GL第3節 浦和ユース 3-1 札幌U-18 前橋フットボールセンター]

 第42回日本クラブユース選手権サッカー選手権(U-18)大会は大会3日目の25日、グループリーグ第3節を群馬県内の各地で開催した。前橋フットボールセンターBの第1試合では、1勝1敗で後がない浦和レッズユースと、ここまで1勝1分で引き分けでも突破の決まる北海道コンサドーレ札幌U-18が対戦。立ち上がりから勢い良く仕掛けた浦和がMF池高暢希のFKなどから3得点を奪って3-1と快勝を収め、決勝トーナメント進出を決めた。

清宮昂大の貢献が大きかった」

 浦和の上野優作監督が開口一番にグループリーグ突破の立役者として挙げたのは背番号11の3年生だった。敗れた初戦ではベンチ外となってサポートメンバーに回ったが、「ずっとケガで苦しんできた選手ですし、ここでベンチを外れて悔しいだろうに、本当に率先して雑用をやってくれて、初戦を落とした後もみんなを盛り上げてくれた。彼に助けられました」(上野監督)。

 この様子を観ていた指揮官は第2戦から清宮をベンチに置き、途中出場でピッチに送り出す。すると2点目に絡み、3点目は自ら押し込む大活躍。「やっぱり日頃から頑張っているやつは、ああやって報われるんだと思った」(DF白土大貴)。こういう流れができたチームは強くなるもの。上野監督は勝負の第3戦で清宮を先発リストに加えた上で、選手たちには「俺たちの強みは何だ?」と熱く問いかけ、ピッチに送り出した。

「非常に丁寧なサッカーをしてくるチーム」(上野監督)である札幌に対し、浦和が出すべき強みは「バチバチ戦えるのが我々の良さ。球際のさらに際のところまで行くんだ」という言葉どおり、立ち上がりから積極的にボールを奪いに行くアグレッシブなスタイルを貫いた。

 立ち上がりから指揮官が「外せない」と語るボランチの大城蛍らが猛然と札幌のポゼッションを阻み、自由を与えない。札幌・川口卓哉監督「本当はもっと(プレスを)いなして、動かしてというサッカーをしたかったが、させてもらえなかった」。そして18分、攻勢の浦和がFKを奪うと、これを池高が鮮やかに蹴り込み、先制点を奪い取った。

「35分ハーフで先制点は重い」と川口監督が振り返ったとおり、この1点が大きかった。前半アディショナルタイムには大城のヘディングシュートがこぼれたところをFW波田祥太が蹴り込んで2点のリードを奪い取り、折り返した。後半も「『絶対にゆるめるな』と声を掛け合った」(池高)浦和の守備は強度を保っており、18分にはPKから決定的な3点目を池高が沈め、3-0とした。

 札幌もあきらめずに戦い、「後半の途中から自分たちのやりたいサッカーができた」(川口監督)が、時すでに遅し。アディショナルタイムにCKからDF船戸一輝が1点を返すのが精一杯だった。

「もちろん追い詰められないのが一番だけれど、追い込まれたところで力を出してくれたのは大きい」(上野監督)。昨年準優勝の浦和が、3年生たちの踏ん張りもあって、逆転で決勝トーナメント進出を決めた。

(取材・文 川端暁彦)
●第42回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会特集ページ



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