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史上初4強の横浜FCユース主将DF池谷銀姿郎「仲間に感謝」出場停止の反省経て準決勝のピッチへ

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DF池谷銀姿郎主将(3年)

[7.30 クラブユース選手権準々決勝 鳥栖U-18 0-1 横浜FCユース 前橋フA]

 高円宮杯プレミアリーグWESTで首位を独走するサガン鳥栖U-18を1-0の僅差で破り、クラブ史上初めてベスト4進出を果たした横浜FCユース。試合後のベンチ裏では、この大一番に出場停止で出られなかったDF池谷銀姿郎主将(3年)が喜びを爆発させていた。

「もったいなすぎるイエローカード2枚で累積をもらってしまって、チームに迷惑をかけた」

 池谷は28日に行われたラウンド16の札幌U-18戦、3-0で迎えた後半アディショナルタイムに2枚目のイエローカードで退場。複数点差で勝利を手中に収めかけていただけに、そこで与えたPKから今大会初失点を喫したことよりも、次の試合に出場停止で出られないことが痛かった。

「試合が終わった後も信義さん(小野信義監督)から話をしてもらって、たとえばワールドカップのグループステージ、アジア予選では替えが効かない選手というのが必ずいると思うけど、自分はそういう選手になっているつもりなので、もっともっと繊細にプレーしないといけなかった」

 いくら反省しようとも、出場停止という結果は覆らない。最終ラインの要というだけでなく、精神面でもチームを支える大黒柱はクラブの歴史をかけた鳥栖U-18戦をベンチ外で迎えることになった。

 それでも池谷はすぐに切り替えていた。「コンサドーレ戦が終わってからもサポートの意識しかなかったし、ピッチにいる11人がベストを尽くせるようにというだけで、特に変わったことはなかった」。試合当日も「自分は普段からエネルギッシュなパワフルな存在なので、ベンチ外でもアップのところで声をかけて、大きな負担をどれだけ小さくできるかを意識していた」とチームを支えることに尽力した。

 その結果、チームは一方的にボールを握られる劣勢が続く中でも、代わりに出場したDF林賢吾(2年)らの奮闘が実り、鳥栖U-18の攻撃陣を完封。さらに「次にキャプテンが帰ってこられるように自分がリーダーシップを発揮して絶対に勝ってやろうと思っていた」という副主将のDFヴァン・イヤーデン・ショーンがセットプレーから虎の子の1点を奪い、ベスト4進出を決めた。

 試合後、池谷は「1年生の時にクラブユースに参加させてもらって、ベンチで見ていたけど、その時と同じような感覚だった」と冷静に述べつつも、「先制できたけど、先制して以降もピンチが多かったし、正直ドキドキすることしかなかった」とホッとした様子。「一番ベストな勝利という結果で終われて仲間に感謝したい」と振り返った。

 そうして迎える準決勝の相手はプレミアリーグWEST最多得点の攻撃力を誇るセレッソ大阪U-18。グループステージ最終節での対戦は4-0で圧勝した相手だが、互いにターンオーバー布陣で臨んでいたため、横浜FCの堅守の真価が問われる一戦となる。2試合ぶりのピッチに立つ池谷は「2回目だからどうとか、セレッソだからどうとか変える必要なく、自分にはたくましい仲間たちがいる。しっかり自分たちのサッカーで、自分も胸を借りるつもりで、それでも先頭に立っていい試合にできたら」と闘志を燃やした。

(取材・文 竹内達也)
●【特設】第46回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会

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