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[MOM3971]横浜FMユースMF白須健斗(1年)_全国準決勝で先制弾!「もともと高体連に行こうとしていたけど…」“J体連”で鍛える期待のルーキー

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MF白須健斗(1年)が先制ゴール

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.1 クラブユース選手権準決勝 横浜FMユース 2-2(落雷中止のため抽選で横浜FMが勝利) 柏U-18 正田スタ]

 横浜F・マリノスユース期待のルーキーが、7年ぶりとなるクラブユース決勝への道を切り拓いた。0-0で迎えた前半9分、左サイドでパスを受けたMF白須健斗(1年)は、斜め後ろにカットインしながら右足を一閃。「練習していた形なので、切れ込んだ瞬間に振ってやろうと思って振った」。腰を力強く捻りながら繰り出したシュートはニアポスト脇に突き刺さり、貴重な先制点が入った。

 1年生ながら高円宮杯プレミアリーグEAST9試合に出場し、上々の高校デビューを果たしている白須。だが、自身の中では常に課題と向き合ってきた。「プレミアで得点が取れないぶん、この大会で絶対にチームに貢献してやろうと思っていた」。プレミアリーグではノーゴールに終わっており、アタッカーとしては得点に絡む活躍が急務。練習後などにGK福井大次郎(2年)と居残りシュートに励み、「イメージや形を作る」ことに取り組んでいたようだ。

 そうした鍛錬が奏功してか、今大会ではユース公式戦初ゴールを挙げたグループステージG大阪ユース戦と、この日の柏U-18戦で2得点。柏戦のゴールについては「もともとは股下を狙っていたけど、アップの時の練習でいい形でニアに行けていたので」と解説し、力が入りがちなシュートシーンでも冷静に自信を持って蹴っていたことが伝わってきた。

「自分自身は17歳でプロの試合に絡んでいきたいし、17歳でプロ契約したい。長くても3年間Jリーグでやって、その先は海外を目指している。小さい頃からバルセロナに入りたくて、バルセロナでキャリアを過ごしていきたい」(白須)

 そんな大きな夢を持つ白須だが、横浜FMジュニアユースからの昇格時には別のキャリアも考えていたという。「中3の時にキャプテンをやらせてもらっていたけど、自分がうまくいかないと甘えていた部分があった。コーチとも話して自分自身を変えたくて、イメージ的に高体連がキツいというイメージがあったので、そこに行って自分を変えたいと思っていた」。横浜FMユースへの昇格ではなく、高校サッカー部でのプレーに気持ちが傾いていたようだ。

 だが、そこで引き留めたのが今季からチームの指揮を執っている大熊裕司監督だった。

「もともと自分は高体連に行こうとしていたけど、大熊さんに言われたのは『ウチは“J体連”だ』ということ。『高体連とか関係なく俺のチームが一番キツい』って」。そう伝えられた白須は覚悟を決め、横浜FMユースでのプレーを決断。昇格当初の猛練習については「最初はキツくて正直やりたくない気持ちにはなった」と苦笑いで振り返るも、「入ったからには後悔したくなかったので練習に励むだけ」と取り組み、強度の高い高校年代の試合でも「正直マリノスユースの練習が一番きついので練習の成果を出すだけ」と言えるほどになった。

 そんな白須には大熊監督も「フィジカル的にも充実してきて、戦術的にも理解してきて、非常に楽しみな2人。できればああいう選手に時間を使って行けたら」とFW望月耕平(1年)とともに期待を寄せている様子。白須が目指すは持ち前の技術とタフさのハイブリッド——。C大阪との決勝戦に向けて「自分の良さを出しつつ、走りまくってみんなで優勝したい」と意気込んだ。

(取材・文 竹内達也)
●【特設】第46回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会

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