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MVPは“周囲もびっくり”C大阪U-15CB上山泰智、ユース昇格逃した悔しさぶつける

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MVPを受賞した上山泰智

[8.24 クラセンU-15決勝 横浜FC 1-3 C大阪 幕別]

 場内に流れた声にチームメイトからもどよめきが起こった。「MVPはセレッソ大阪U-15上山泰智選手です」。金晃正監督も「想像もしていなかった」と苦笑いを浮かべる守備の要の受賞。そんな今大会最優秀選手ははにかみながら前に出ると、緊張した表情でクリスタルトロフィーを受け取った。

 しかし金監督は「今大会で成長しました。本当に良かったですね」と頷いてもみせる。背番号3を背負う上山は、全8試合で先発フル出場。10日間で560分間を走り抜くと、守備の貢献はもちろん、準々決勝の金沢戦と決勝の横浜FC戦ではいずれもCKからヘディングで得点を奪ってみせていた。

 上山も「いつもCKで決められなかったけど、決められたので、自分の成長を感じることができました」と手ごたえを語ると、「トロフィーは自分の部屋に飾りたい。周りの反応?たぶん、『何で?』とか言われるんじゃないですかね」と照れ笑いも浮かべた。

 大会直前の宣告から、上手く気持ちを切り替えていた。毎年、ほとんどのチームがクラブユース選手権の前にユースへの昇格可否を選手に伝える。C大阪も7月末に行っており、上山は昇格できないことが決まっていた。

 ちなみに昇格するのは、GKイシボウ拳、DF刈田琉唯、MF増田瑛心、MF平山大河、MF伏見晄永、MF金龍起、FW小野田亮汰の7人のみだという。

 きっかけ一つで大きな飛躍に繋がることがある。「一人でもゴールを守れる選手に。あとはもっとCKで決めて、攻撃でも自分を出せるようにしたいです」。ユースに昇格できなかった選手が、高校で力をつけてプロ選手になるという事例は過去にいくらでもある。高校経由でC大阪に戻ってきた選手もいる。クラセンMVPの称号は、今後の成長へのこれ以上ない源になる。

(取材・文 児玉幸洋)
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