クラセン連覇狙うG大阪ユースが浦和ユース撃破!!「絶対に守ってやるぞ!」の意識持ち、4試合連続完封で準決勝へ
[7.26 クラブユース選手権(U-18)準々決勝 浦和ユース 0-1 G大阪ユース J-GREEN堺 S1]
第48回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会の準々決勝、浦和レッズユース(関東6)とガンバ大阪ユース(関西1)の試合が、26日にJグリーン堺メインフィールドで行われた。
前半からボールを持つ時間が長かったのはG大阪。4-4-2を基本陣形として、最終ラインから中盤でボールを動かしながらチャンスを伺う。一方の浦和は3-4-2-1の陣形で前からボールを奪おうとするが、なかなかプレスがかからずに守備エリアが自陣へと押し下げられていく。G大阪の選手は状況に応じてポジションを崩してボールに関わっており、3バックの一角を務めた浦和の主将DF阿部慎太朗(3年)は「守備で相手の変化に対応しきれず、攻撃に上手くつなげることもできなかった」と苦しい前半だったことを明かしている。それでも、自陣ゴール前では5バック気味に構える守備で対抗して、得点は許さない。G大阪は攻める時間が長かった割には、前半のシュート数は2本だけだった。
一方、浦和の攻撃も前半はシュート1本だけ。「照内(利和)のところでボールを収めて、そこから2列目やサイドの選手が飛び出していくイメージだったが、距離が遠くてなかなか出て行けなかった」(平川忠亮監督)とスコアレスでハーフタイムを迎えている。
後半も同様の流れが続く中、20分にスコアが動く。G大阪は中盤でボールを動かす流れから、MF長田叶羽(3年)が中央で相手DFをかわして、ドリブルで突き進む。相手をひきつけて左へパスを送ると、走り込んだFW天野悠斗(3年)が右足でコントロールシュートを決めて、待望の先制点が生まれた。
追いかける立場になった浦和は、24分までに5人の交代枠を使い切り、DFを一枚削って4-4-2の布陣で攻めようとする。前線にはFW照内利和(3年)と186cmの長身FW小鷹凛太朗(2年)を投入して、そこへボールを入れていくが、G大阪も主将のDF古河幹太(3年)とDF横井佑弥(1年)のCBコンビを中心に集中力を切らさずに強固な守備を披露する。試合はそのまま終了。G大阪が1-0で勝利して、準決勝進出を決めている。
大会連覇を目指すG大阪の町中大輔監督は「非常にタフで難しい試合でした。連戦の疲れや決勝トーナメントの緊張感もあったのか、テンポよくボール動かして、相手を揺さぶって、シュートチャンスを作ることが、なかなかできませんでした」と思い通りの試合ではなかったと話す。それでも失点をせずに試合を進めたことが、後半の先制点につながった。「去年にプレミアリーグからプリンスリーグ関西へ降格して高体連のチームと対戦する機会が増えましたが、彼らはタフに戦うことについて強さがある。そこは我々にとって、非常に勉強になりました。守備の粘り強さは出てきていると思います」と話す。今大会はグループリーグから4試合で、まだ失点を許していない。
最終ラインを統率する古河は「『絶対に守ってやるぞ!』という熱量が高い。今年はトップチームも調子が良くて、そこに練習参加したときに熱量の高さを感じました。それをユースにも生かして、自分のポジションでは失点を許さないことを意識しています」と精神面を強調する。それと同時に「今年のチームはハイライン・ハイプレスがコンセプトです。相手のバックパスにあわせて、こまめにラインを上げたり、準備をしたり、細かいところを徹底できていることが無失点につながっていると思います」と手応えを口にする。GK荒木琉偉(2年)も「DFラインが身体をはってくれることはもちろん、前線や中盤も高い位置からボールを追いかけてくれる。全員が連動して守備ができている。今日もピンチは試合終盤のところくらいだったと思います」と話している。
敗れた浦和はベスト8で大会を去ることになった。平川監督は今大会の収穫として、「守備の連携や規律」をあげた。「これまで我慢できずに全部が全部、前から奪いに行こうとしていた。それが状況に応じて中盤で構えたり、リトリートしたり、段階的な守備が構築できるようになってきました」と話す。課題としては「攻撃のところで、ボールを持ったときにどう崩していくのか。サイドを変えたり、ブレイクしていく迫力などは、まだまだ足りません」と振り返っている。
主将の阿部は「結果だけを見れば1点差だけど、完敗だったと思います。相手のビルドアップの上手さはわかっていたけれど、どこでボールを奪うのかのスイッチが定まらずにズルズルと下ってしまった。ある程度ボールを持たれるのは想定していたんですが、もっと忍耐強くやらなきゃいけませんでした」と敗戦を振り返っている。一方でグループリーグから合計4試合を戦った中で、「いろんな選手がピッチに立ったけれど、チーム力を変化させることなく戦えたのは強みだと思います。この結果や悔しさをしっかりと消化して、ここから強くなっていきたい。プレミア参入戦へ進めば(G大阪と)また対戦するかもしれません。もしそうなったときに、次は俺たちが勝つことを証明したいです」とリベンジを誓っていた。
(取材・文 雨堤俊祐)
●第48回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)特集
第48回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会の準々決勝、浦和レッズユース(関東6)とガンバ大阪ユース(関西1)の試合が、26日にJグリーン堺メインフィールドで行われた。
前半からボールを持つ時間が長かったのはG大阪。4-4-2を基本陣形として、最終ラインから中盤でボールを動かしながらチャンスを伺う。一方の浦和は3-4-2-1の陣形で前からボールを奪おうとするが、なかなかプレスがかからずに守備エリアが自陣へと押し下げられていく。G大阪の選手は状況に応じてポジションを崩してボールに関わっており、3バックの一角を務めた浦和の主将DF阿部慎太朗(3年)は「守備で相手の変化に対応しきれず、攻撃に上手くつなげることもできなかった」と苦しい前半だったことを明かしている。それでも、自陣ゴール前では5バック気味に構える守備で対抗して、得点は許さない。G大阪は攻める時間が長かった割には、前半のシュート数は2本だけだった。
一方、浦和の攻撃も前半はシュート1本だけ。「照内(利和)のところでボールを収めて、そこから2列目やサイドの選手が飛び出していくイメージだったが、距離が遠くてなかなか出て行けなかった」(平川忠亮監督)とスコアレスでハーフタイムを迎えている。
後半も同様の流れが続く中、20分にスコアが動く。G大阪は中盤でボールを動かす流れから、MF長田叶羽(3年)が中央で相手DFをかわして、ドリブルで突き進む。相手をひきつけて左へパスを送ると、走り込んだFW天野悠斗(3年)が右足でコントロールシュートを決めて、待望の先制点が生まれた。
追いかける立場になった浦和は、24分までに5人の交代枠を使い切り、DFを一枚削って4-4-2の布陣で攻めようとする。前線にはFW照内利和(3年)と186cmの長身FW小鷹凛太朗(2年)を投入して、そこへボールを入れていくが、G大阪も主将のDF古河幹太(3年)とDF横井佑弥(1年)のCBコンビを中心に集中力を切らさずに強固な守備を披露する。試合はそのまま終了。G大阪が1-0で勝利して、準決勝進出を決めている。
大会連覇を目指すG大阪の町中大輔監督は「非常にタフで難しい試合でした。連戦の疲れや決勝トーナメントの緊張感もあったのか、テンポよくボール動かして、相手を揺さぶって、シュートチャンスを作ることが、なかなかできませんでした」と思い通りの試合ではなかったと話す。それでも失点をせずに試合を進めたことが、後半の先制点につながった。「去年にプレミアリーグからプリンスリーグ関西へ降格して高体連のチームと対戦する機会が増えましたが、彼らはタフに戦うことについて強さがある。そこは我々にとって、非常に勉強になりました。守備の粘り強さは出てきていると思います」と話す。今大会はグループリーグから4試合で、まだ失点を許していない。
最終ラインを統率する古河は「『絶対に守ってやるぞ!』という熱量が高い。今年はトップチームも調子が良くて、そこに練習参加したときに熱量の高さを感じました。それをユースにも生かして、自分のポジションでは失点を許さないことを意識しています」と精神面を強調する。それと同時に「今年のチームはハイライン・ハイプレスがコンセプトです。相手のバックパスにあわせて、こまめにラインを上げたり、準備をしたり、細かいところを徹底できていることが無失点につながっていると思います」と手応えを口にする。GK荒木琉偉(2年)も「DFラインが身体をはってくれることはもちろん、前線や中盤も高い位置からボールを追いかけてくれる。全員が連動して守備ができている。今日もピンチは試合終盤のところくらいだったと思います」と話している。
敗れた浦和はベスト8で大会を去ることになった。平川監督は今大会の収穫として、「守備の連携や規律」をあげた。「これまで我慢できずに全部が全部、前から奪いに行こうとしていた。それが状況に応じて中盤で構えたり、リトリートしたり、段階的な守備が構築できるようになってきました」と話す。課題としては「攻撃のところで、ボールを持ったときにどう崩していくのか。サイドを変えたり、ブレイクしていく迫力などは、まだまだ足りません」と振り返っている。
主将の阿部は「結果だけを見れば1点差だけど、完敗だったと思います。相手のビルドアップの上手さはわかっていたけれど、どこでボールを奪うのかのスイッチが定まらずにズルズルと下ってしまった。ある程度ボールを持たれるのは想定していたんですが、もっと忍耐強くやらなきゃいけませんでした」と敗戦を振り返っている。一方でグループリーグから合計4試合を戦った中で、「いろんな選手がピッチに立ったけれど、チーム力を変化させることなく戦えたのは強みだと思います。この結果や悔しさをしっかりと消化して、ここから強くなっていきたい。プレミア参入戦へ進めば(G大阪と)また対戦するかもしれません。もしそうなったときに、次は俺たちが勝つことを証明したいです」とリベンジを誓っていた。
(取材・文 雨堤俊祐)
●第48回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)特集