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[MOM5156]大宮U18MF神田泰斗(2年)_課題と向き合いながら進化続ける、クラブ史上最年少でプロ契約を締結したレフティー

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RB大宮アルディージャU18のMF神田泰斗(2年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.23 クラブユース選手権(U-18)Aグループ第1節 大宮U18 1-1 浦和ユース 神戸総合運動公園ユニバー記念競技場]

 今月18日にプロ契約締結が発表されたのが、RB大宮アルディージャU18のMF神田泰斗(2年)。クラブ史上初となる高校生でのプロ契約という事実からも、クラブからの期待の高さが伺える。

 持ち味は高精度の左足キックと視野の広さを生かしたゲームメイク。U15時代から彼を指導する丹野友輔監督がそうしたプレー面とともに評価するのはサッカーに取り組む姿勢で、こう口にする。「彼は与えられたものに対してチャレンジして、塗りつぶす作業が得意な子なので、これからもどんどん良くなっていくと思います」。

 プレミアリーグで戦った昨年はルーキーながらもプレーメーカーとしての素質を買われ、主力としてプレーする中、守備強度や連続性などタフさが課題だったが、しっかり自らと向き合うことで克服してきた。2年目を迎えた今年、彼が取り組んでいるのはゲームを作る役割に、得点に絡む作業を加えること。「気持ちのぶつかり合いだと思っていたので、みんな勢いを持って試合に入りました」と話す浦和レッズユースとのさいたまダービーでは、そうした課題と向き合う姿が印象的だった。

 積極的に最終ラインへと顔を出し、ボールを引き出しては特徴である左足フィードで攻撃にスイッチを入れながら、機を見ては前方に持ち運んで攻撃のリズムを作った。最大のハイライトは前半35分+2分のプレー。ハーフウェーライン右でボールを受けると大きく左に展開。PA左に入ったボールをMF大関駿(3年)が胸で落とし、FW野口蒼流(3年)がゴールを狙った。シュートは枠を捉えることができなかったが、彼の持ち味がよく出たシーンと言えるだろう。左足キックはリスタートでも力を発揮し、CKから質の高いボールを何度もゴール前に入れていた。

 そうした今までの作業に加え、この日は「後ろでさばくだけでなく前に出てアシストしたり、得点に関わることが自分の課題だったので、前に絡んでいこうと意識していました」と口にする。

 サイドにボールが入れば3列目から追い越し、ゴール前へのクロスを入れる。またはサイドの選手がゴール前に入れたボールに飛び込んでゴールを狙う。この日は惜しい場面に顔を出しながらあと少しが合わず結果には結び付かなかったが、今年に入ってから前方に飛び出し続けてきたことで、自らのプレーが得点に繋がるシーンが増えてきたという。

 2種登録された今季はトップチームでプレーする機会が増えた。「スピード感と強度がトップチームは違う。そこに慣れてきた分、こっちでやると余裕がある」と話す通り、質の高い日常を過ごしてきたことがU18でプレーした際に他の選手との違いを生み出している。

 また、先輩Jリーガーのプレーを間近で見ることができるプラスも大きい。「トップチームで特に刺激を受けたのは和田拓也選手と小島幹敏選手。特に小島選手は自分と同じ左利き。試合が落ち着くし、コーチングの質を含めてサッカーが分かっていると1回目の練習参加で感じました」。夏明けからは活動の場を本格的にトップチームに移す予定で、彼の成長速度は更に加速していくだろう。

「レッドブルが来たことで世界との繋がりが強くなっていると思う。自分は大宮から世界に行きたいので、まずはこのクラブで結果を残して上に行きたい」と将来的には海外移籍を見据えているが、今はU18での活躍しか考えていない。まずはこの大会でグループリーグを勝ち上がり、一つでも上の順位を目指す。

(取材・文 森田将義)

●第49回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)特集
森田将義
Text by 森田将義

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