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おしゃれヒールの遠藤康「後ろを向いていたのであれしかなかった」

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後半38分、右足ヒールで追加点を決めたMF遠藤康

[12.14 クラブW杯準決勝 A・ナシオナル0-3鹿島 大阪]

 ゴールに背を向け、右足ヒールで流し込んだ。前半33分にPKで先制するも、アトレティコ・ナシオナルの反撃に耐える時間が続いていた鹿島アントラーズだが、相手をあざ笑うかのようなMF遠藤康の“おしゃれヒール”が歴史的勝利を呼び込んだ。

 1-0の後半38分、MF柴崎岳の左クロスに遠藤が飛び込むと、相手GK、DFともつれ、ボールが遠藤の足下にこぼれてきた。「後ろを向いていたので、そのまま打とうと。あれはあれしかなかった」。冷静に右足ヒールで無人のゴールに押し込む追加点。「(柴崎)岳がいいボールをくれた。自分は決めるだけだった」と、淡々と振り返った。

 前半13分にはMF中村充孝のスルーパスに抜け出す決定機があったが、左足のシュートは大きく枠を外れた。絶好のチャンスを逃すも「そこまで焦りはなかった」という。前半は何度もピンチを招いたが、「試合の中で個人個人が対応に慣れてきたのが大きかった」と、相手に焦りや疲労の色が出てきた後半は、チームとして落ち着いて反撃を封じ込めた。

 その中で生まれた値千金の追加点。「1点差では分からなかったし、2点目を取らないと勝てないと思っていた。いい時間帯に自分が決められて良かった」。準々決勝のマメロディ・サンダウンズ戦(2-0)に続く2戦連発。アジア勢初の決勝進出という快挙を達成し、「サッカーを楽しめた」と充実感がにじみ出た。

(取材・文 西山紘平)
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