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内容はどうでもいいくらい…準決勝進出の本田「僕もこんなの初めて」

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パチューカMF本田圭佑

[12.9 クラブW杯準々決勝 パチューカ1-0(延長)ウィダード・カサブランカ アブダビ]

 自身の見せ場は限られた。後半に入って相手に退場者が出て数的優位に立ったものの、90分間で勝負を決めることはできなかった。しかし、延長後半7分に生まれた得点を守り抜いたパチューカは準決勝へと駒を進めた。フル出場したMF本田圭佑は「本当に結果がすべて」であることを強調した。

 試合が開始すると、本田は気付いたという。チームメイトに硬さがあることを――。「大体、ビッグゲームの一発目はこんなもんですよ。W杯、CL、クラブW杯もそうですよね。一発負けたら終わりという緊張感のある試合で、今回ここに来ているメンバーでクラブW杯に出ている選手は確かいないんですよ。そういう意味では、こうなるだろうなと」。本田自身はMFブラヒム・マカシにマンツーマン気味にケアされて、なかなかボールに絡めない。そして、硬さの見られるチームも、効果的な攻撃を仕掛けられずにフィニッシュまで持ち込めない時間帯が続いた。

 だが、本田は冷静にプレーを続けていた。「僕はやりたいことがいくつもあった」ようだが、チームメイトの状態を見て、「前半のうちに全部諦めて。『今日は勝てばいい』くらいのつもりでゲームを読みながらプレーしていた」と語る。スコアレスで迎えた後半24分に本田をケアしていたマカシが退場し、数的優位に立った後も決定機らしい決定機は創出できず。しかし、延長戦に入って攻勢を強めると、延長後半7分にMFビクトル・グスマンがゴールを陥れ、パチューカは1-0の完封勝利を収めた。

 クラブW杯は11日間で開幕戦から決勝までをこなす、短期決戦だ。準々決勝を突破したパチューカも、中2日で準決勝を迎える。「多分、これだけデカい大会で一番の短期決戦。そういう意味では、こんなに内容がどうでもいいくらいの大会はないと思うんですよ。本当に結果がすべてじゃないですか。それは僕も初めて。一個勝てば次に進めるという試合も初めてだし、次はいきなり南米王者とやれる」と勝利することの重みを説いた。

「一試合勝つことがノルマだった」という白星を苦しみながらも手に入れ、「下馬評的に言えばノルマ達成」と表情を緩める。次戦の準決勝では、南米王者のグレミオ(ブラジル)が待ち構える。「グレミオに勝ったら世界中のサッカーファンは、決勝が『おもんないな』となるでしょうけど、それを僕らは狙いにいきたい」と再び結果を残して決勝進出を狙う。

(取材・文 折戸岳彦)
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