beacon

「自分に『つるな、つるな』と…」同点アシストの土居が決死のPK奪取

このエントリーをはてなブックマークに追加

2点を演出したMF土居聖真(右)と決勝点のMF安部裕葵

[12.15 クラブW杯準々決勝 鹿島3-2グアダラハラ アルアイン]

 最後の力を振り絞った。FW鈴木優磨を負傷で欠く鹿島アントラーズはMF土居聖真が2トップの一角で先発。「(ボールの)取りどころもなくて、きつい前半だった。久々に試合が空いてみんな硬かったし、前線の選手も動きが少なかった」。前半はグアダラハラ(メキシコ)の勢いに押され、チームとしていいところなく1点ビハインドで折り返したが、後半立ち上がりの同点ゴールでアジア王者が息を吹き返した。

 GKクォン・スンテからのロングフィードをFWセルジーニョがおさめ、左サイドのスペースに展開。スルーパスに反応した土居がドリブルで縦に仕掛け、グラウンダーの折り返しをファーサイドに走り込んだMF永木亮太が右足で押し込んだ。

 永木の駆け上がりは「ドリブルする前から見えていて、最初からそこに出そうと思っていた」という。「シュートのふりをして中に出せた。一つ外したところで(クロスを相手に)当てないようにというのを考えていた」。狙いどおりのアシストで試合を振り出しに戻すと、勝ち越しのPKも獲得した。

 後半23分、DF内田篤人から縦パスを受け、PA内で切り返したところで後方からMFマイケル・ペレスに倒された。「ボールをもらったとき、一発で前を向けたのが大きかった。感覚的に切り返したら引っかかったので良かった」。このプレーの前には足を伸ばす仕草も見せていた。「自分に『つるな、つるな』と言っていた」。気迫のPK奪取でチームは逆転。土居は後半35分にベンチへ下がったが、2得点を演出した背番号8がプレイヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれた。

(取材・文 西山紘平)

●クラブW杯2018特集

TOP