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レアルに一矢報いた土居「こんなに終わってほしくないと思った90分はない」

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後半33分に1点を返したMF土居聖真

[12.19 クラブW杯準決勝 鹿島1-3R・マドリー アブダビ]

 一矢報いた。0-3で迎えた後半33分、鹿島アントラーズはMFレオ・シルバの浮き球のパスをPA内右のMF遠藤康が頭で落とし、MF土居聖真が右足でゴールに叩き込んだ。一度は副審の旗が上がるもビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)により得点が認められ、1-3。アジア王者としての意地の一発となった。

「(ゴールを)決められたことは財産になったけど、相手はそれを3回やったし、僕らも3回やる必要があった。そこの差かなと思う。試合前に隙を見せたら負けると言ったけど、そこを見せてしまった部分があった」

 立ち上がりは鹿島のペースにも見えたが、土居は「相手も緩かったし、僕らの攻めを分析していただけだったのかなと思う」と冷静に振り返る。「僕らにやらせてくれた立ち上がりだった。それだけだと思う」。前半終了間際に先制されると、後半立ち上がりにミスから追加点を許し、連続失点。後半10分で0-3とリードを広げられた。

 2トップの一角で先発した土居だが、3失点目を喫した直後の後半11分からはボランチの位置にポジションを下げていた。それでも得点の場面ではゴール前へ顔を出すなど最後まで気持ちを切らさず、走り抜いた。「時間がただ過ぎていくのはもったいないと思った」。アジアを制してつかんだレアル・マドリーへの挑戦権。1分1秒も無駄にするつもりはなかった。

「今は整理できないけど、楽しかったのもあるし、悔しい気持ちも大きい。複雑な気持ちが混ざっている」。そう胸の内を明かす土居は「チンチンにされたけど、こんなに終わってほしくないと思った90分はない。前回の対戦よりもそう思った」と率直に語った。

(取材・文 西山紘平)

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