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泥臭く記録つくる岡崎、歴代単独4位弾に「決められてホッとした」

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[6.3 W杯アジア最終予選 日本3-0オマーン 埼玉]

 歴代単独4位となる国際Aマッチ28点目は、オマーンにとどめを刺すチーム3点目だった。2-0とリードを広げた直後の後半9分。FW岡崎慎司(シュツットガルト)はゴール前の混戦で相手DFに当たってこぼれてきたボールを右足でシュート。一度はGKアル・ハブシのファインセーブに阻まれたが、再びこぼれ球を右足で押し込んだ。この日の自身5本目のシュートがようやく決まると、仲間と抱き合い、満面に笑みを浮かべた。

「前田さんのシュートがこぼれてきて、前に入れたのでよかった。あそこで決められたのも、最終予選のスタートとして良かったと思う。決められないのと決められたのでは気持ち的に全然違う。ホッとした」と、安堵の表情を浮かべた。

 立ち上がりから日本のペースだった。ワンタッチでパスをつなぎ、相手にボールを触らせもしない。そんな中、岡崎には何度もフリーになるチャンスがあった。

「相手はかなりルーズだった。(香川)真司のほうにマンツーマンで来ていた。俺から見たら、俺、こんなにフリーでいいのかなと思うくらいだった」

 その言葉どおり、前半32分には長友のクロスをゴール正面でヘディングシュート。だが、フリーで打った絶好のチャンスは枠外となった。「(長友)佑都のいい形でのクロスは、決めないといけなかった。もっと精度を上げないと」と反省も忘れない。

 とはいえ身長174cmと決して体格に恵まれているわけでなく、さらに言えば飛び抜けたスピードを持つわけでもない岡崎が歴代4位のゴール数を記録したことは意義深い。

「今日みたいなゴールも、あそこに詰めているから取れたという自信がある。そういうところを突き詰めれば、これだけゴールを取れる。そういうことを見せていければ、小さい子に勇気を与えられると思う」

 ザッケローニ監督からは試合後、「斜めの動きが良かった」と声を掛けられた。小さくとも、混戦を恐れずゴール前に詰めていく泥臭さで得点を重ねる岡崎。岡田ジャパン時代、最終予選のウズベキスタン戦で決勝ゴールを挙げてチームを南アフリカに導いたサムライが、今度はザックジャパンをブラジルへ導く。

(取材・文 矢内由美子)

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