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本田が初のハットトリック!!日本はヨルダンに6発大勝で最終予選2連勝

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[6.8 W杯アジア最終予選 日本6-0ヨルダン 埼玉]

 ザックジャパンが6発大勝で最終予選2連勝!! 日本代表は8日、W杯アジア最終予選第2戦でヨルダン代表と対戦。前半18分、FW前田遼一の2戦連続ゴールで先制すると、同21分、30分とMF本田圭佑が連続ゴール。同35分にはFW香川真司も追加点を決め、前半だけで4-0と大量リードを奪った。前半44分にDF吉田麻也が負傷交代するアクシデントに見舞われたが、後半5分、本田がプロ初のハットトリック達成となるPKを決める。後半44分にはDF栗原勇蔵のA代表初ゴールでダメ押し。6-0とゴールラッシュを締めくくった。日本は翌9日朝にオーストラリアへ出発。12日には敵地で第3戦のオーストラリア戦(ブリスベン)に臨む。

 日本は3日のオマーン戦(3-0)と同じ先発メンバー。システムは4-2-3-1で、前田を1トップに、2列目に岡崎慎司、本田、香川が並んだ。
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 立ち上がりから試合の主導権を握る日本は前半5分、いきなりビッグチャンスをつくる。MF遠藤保仁からの浮き球のパスに岡崎がオフサイドラインぎりぎりから飛び出すと、PA内でフリーとなり、胸トラップから反転しながら強烈な左足ボレー。惜しくもGKの好セーブに阻まれたが、その後も果敢に攻め込んだ。

 本田がMFアルムルジャンにマンツーマン気味にマークに付かれるが、動きながらボールに触り、攻撃の起点となる。前半10分には本田からパスを受けた遠藤がミドルシュートを狙った。同11分、左CKのチャンスには遠藤が右足で巻いて直接狙うも、GKが何とかかき出す。同17分には香川のスルーパスを本田がPA手前から左足ダイレクトでミドルシュート。鋭いグラウンダーのキックだったが、これもGKの好守に阻まれた。

 再三の好機もGKのビッグセーブに阻まれる日本だったが、前半18分、セットプレーから均衡を破る。本田の右CKに前田がDFと競り合いながらヘディングを狙うと、左肩付近に当たったシュートがクロスバーを叩いてゴールマウスに吸い込まれた。

 オマーン戦に続いて前半のいい時間帯に先制点を奪った日本は一気にたたみかける。前半21分、遠藤がチップキック気味に鮮やかなスルーパス。PA内に走り込んだ本田はうまくDFの前に体を入れ、GKとの1対1から冷静に左足でゴールに流し込んだ。新4番・本田の最終予選2戦連発となる国際Aマッチ10点目で2-0とリードを広げた。

 前半27分にはヨルダンのMFアブダラー・ディープがMF長谷部誠へのひじ打ちでこの日2枚目のイエローカードを受け、退場。長谷部は頭部に包帯を巻いてプレーを続行した。

 数的優位に立った日本はその後も得点を重ねる。前半30分、遠藤からの浮き球のパスに抜け出した岡崎が切り返しから左足でシュート。DFに当たってファーサイドに流れたボールに本田が詰め、左足で押し込んだ。代表戦では初となる本田の1試合2得点。さらに同35分、長谷部の右クロスをGKが弾いたこぼれ球をDF内田篤人が拾う。シュートも狙えたが、冷静に左に流し、香川が右足でミドルシュート。ゴールライン上でカバーに入ったDFもわずかに届かず、ゴール左隅に吸い込まれた。

 4-0と大量リードを奪った日本だが、思わぬアクシデントが襲う。前半37分、吉田が相手陣内にまでディフェンスにいった際、ピッチに足を滑らせ、右膝を負傷。いったんタッチラインの外に出て治療を受けると、すぐにピッチに戻ったが、同42分、再びピッチに倒れ込み、そのまま交代を余儀なくされた。日本はDF栗原勇蔵を緊急投入。主力CBの痛い負傷交代となった。

 4点リードで折り返した後半立ち上がりはヨルダンにチャンスをつくられた。ヨルダンは後半3分、MFハリル・バニアテヤの右FKからMFサイード・アルムルジャンがヘディングシュートを狙うが、ゴール左へ。その直後にもFWオダイ・アルサイフィーが右足ミドルシュートを狙った。いずれも枠を外れたが、同5分にも香川のパスミスからピンチを招き、FWアハマド・ハイルのミドルシュートがGK川島永嗣の正面を突くなどヒヤリとさせられた。

 嫌な雰囲気になりかけたところで日本のエースが再び流れを引き戻した。後半7分、PA内左で仕掛けた前田がバニアテヤに倒され、PKを獲得。ペナルティースポットには前田も立ったが、一目散にボールを取りにいった本田にキッカーを譲る。本田は落ち着いてゴールほぼ正面に叩き込み、プロ初のハットトリックを達成。日本代表選手の国際Aマッチでのハットトリックは、昨年1月17日のアジア杯・サウジアラビア戦(5-0)で3得点を決めた岡崎以来となった。

 5-0と突き放し、本田は後半12分にMF中村憲剛と交代。ピッチを出る際は、スタンドを埋め尽くした6万874人の観衆から割れんばかりの歓声と拍手を一身に浴びた。代わって入った中村は後半15分に左足で強烈なミドルシュート。果敢にゴールを狙った。

 日本は後半27分、DF今野泰幸に代えてDF伊野波雅彦を投入。12日のW杯アジア最終予選・オーストラリア戦(ブリスベン)で吉田を起用できない可能性を考慮し、バックアップメンバーに試合勘を積ませる狙いか、CBは栗原、伊野波という途中出場コンビになった。

 後半30分には中村の左CKから栗原が打点の高いヘディングシュート。ゴールライン上でMFアブデルラフマンがクリアしたボールに今度は伊野波が詰めたが、またもアブデルラフマンが体を投げ出してクリアした。同40分、PA内中央から狙った香川の右足シュートは右ポストに弾かれた。

 最後まで攻め手を緩めない日本は試合終了間際の後半44分、左CKから中村がショートコーナーでDF長友佑都につなぐと、長友のクロスをファーサイドの栗原が打点の高いヘディングシュートでゴールネットに叩き込んだ。栗原の国際Aマッチ初ゴールで6-0とダメを押すと、守備陣も最後まで集中力を切らさない。ヨルダンの反撃を冷静に跳ね返し、6-0の完勝。最終予選2試合連続の完封勝利を飾り、B組首位をキープした。

(取材・文 西山紘平)

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