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最終予選初ゴールを決め、安堵の香川「もっと格好よく決めたかった」

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[6.8 W杯アジア最終予選 日本6-0ヨルダン 埼玉]
 誰もが待ち望んだ一撃だった。前半35分、DF内田篤人からの横パスを受けたMF香川真司が右足を一閃する。ボールはゴール前でカバーに入っていたDFに引っかかることなく、ゴールネットを揺らした。この瞬間、スタジアムのボルテージは最高潮に達した。初戦のオマーン戦で3-0と快勝しながらも悔しさを滲ませた。前線で唯一、得点を挙げられていなかった10番の悔しさを、チームメイトも感じ取っていた。スタンドからも大きな「カガワ」コールが起こる中、ようやく香川に笑顔が見られた。終盤には足を気にする場面もあったが、「つっただけです。情けない」と、今後への影響はないと明かした。

 最終予選初ゴールを振り返り、「もっと格好よく決めたかった」と苦笑する香川は、安堵の表情を見せながらも、オマーン戦後に続き「もっと」という言葉を繰り返した。ゴールについても「相手のミス絡みだったし、結果を残したというだけで納得というか、満足はしていません」と語ると、向上心の強い男は反省の言葉を続ける。

「もっと落ち着いてシュートまでいかなければいけないと感じた。今日は技術的なミスが多かったと思う。点差が付いたから、なかなか目立たないけど、ああいうところで、もっと正確にシュートを打ち切らないといけない」

 それでも、オマーンとの初戦以上の手応えは感じている。「(チーム全体の)動きとしては、1試合目より2試合目の方が良かったし、連動性も出ている。比較的にボールも入ってきた。ただ個人としては、もっと修正できることが多い」。

「もっと」の他にもう一つ、香川が繰り返した言葉がある。「楽しみ」だ。

 次はグループBの首位を争うことになると目されるオーストラリアとアウェーゲームを12日に戦う。過去にオーストラリアとの対戦経験がないという香川は、その試合への意気込みを口にした。

「(3連戦も)あと1試合ですが、楽しみにしていますし、そこで求められるものはあると思う。1、2試合目で3-0、6-0と点差が付きましたが、次はそう簡単にはいかない。いかにチーム、個人として力を発揮できるか、すごく楽しみにしていますし、次に切り替えたい。次は1点差のゲームになると思うので」

 W杯最終予選で守では2試合連続完封。攻撃でも計9得点を叩きだした。史上最高の呼び声も高いチームが、最大の山場と見られるオーストラリア戦に、どれだけのパフォーマンスを見せてくれるか。ピッチに立つ香川だけでなく、日本中が楽しみにしているはずだ。

(取材・文 河合 拓)

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