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PK献上に不満の内田、「反省して、オフです」

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[6.12 W杯アジア最終予選 オーストラリア1-1日本 ブリスベン]

 呆然と立ち尽くした。苦笑いを浮かべるしかない。後半24分、オーストラリアの左CKのチャンス。MFウィルクシャーのクロスボールはGK川島永嗣が弾いたが、ゴール前のポジション取りでDF内田篤人(シャルケ)がFWアレックスを抑えたとして主審の笛が鳴った。

 まさかのPKの判定。「PKになる前から2、3本、スタジアムが『PKじゃねえか』っていうどよめきがあって、審判も『取り戻さないと』っていう心境だったのかなと。サッカーではよくあること。気を付けようとは思っていたけど、あれで(ファウルを)取られたら……」。当然、納得できる判定ではなかったが、「しょうがない。反省して、オフです」と必死に気持ちを切り替えた。

 この場面で3日のオマーン戦(3-0)に続く累積2枚目のイエローカードを受け、次節9月11日のイラク戦(埼玉)は出場停止となる。「アウェーでしょ? ホームなの? ホームのイラク戦? そうかー。ホームだったかー」と悔やんだが、6月の3連戦では手応えも大きかった。

「3次予選は個人的にもうまくいかない部分が続いていたけど、長い合宿が効いたのか、右サイドの岡ちゃん(岡崎)とのコンビネーションがよくなった。俺が生きようとしたらダメだなって思って。岡ちゃんを生かそうとしたらうまくいった」

 試合を重ねるごとに深めたFW岡崎慎司とのコンビネーション。「僕が消えて、岡ちゃんを伸び伸びやらせる。岡ちゃんは追っかけてくれるし、裏に行ってくれるのでお気に入りのタイプ」。左サイドのDF長友佑都、MF香川真司が厳しいマークに遭う中、日本の右サイドが新たな武器になった。

「やっていくうちに、時間が解決する。もっともっとよくなると思う」。右SBでは五輪世代のDF酒井宏樹も台頭。この日も後半28分から内田に代わってピッチに入った。3日のヨルダン戦(3-0)後には「刺激があって、楽しくなってきた」と、酒井の存在をライバルとして認めた内田だが、簡単にポジションを明け渡すつもりはない。

(取材・文 西山紘平)

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