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オーストラリアvs日本 試合後の選手コメント

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[6.12 W杯アジア最終予選 オーストラリア1-1日本 ブリスベン]

 W杯アジア最終予選は12日、第3節を行い、日本代表はアウェーでオーストラリア代表と対戦し、1-1で引き分けた。後半10分にオーストラリアのDFミリガンが退場。数的優位に立った日本は後半20分、DF栗原勇蔵の2戦連発弾で先制したが、同25分にPKで追いつかれる。後半44分には栗原が2枚目の警告で退場。そのまま1-1で試合終了となり、3連勝はならなかったが、敵地で勝ち点1を獲得し、6月の3連戦を2勝1分で終えた。

以下、試合後の選手コメント

●FW香川真司(ドルトムント)
「ピッチは問題なかった。ちょっとイージーなミスはあったけど、パスで崩すこともできていた。ただ、日本はどうしてもフィジカルの強い相手に難しい戦いを強いられている。ヨーロッパにはフィジカルが強くてもっと組織的な相手もいるし、もっとチームとして負けない戦い方をしないといけないという課題が残った。ロングボールを入れられたところも苦労していた」
―自分のプレーについては? 本田とはけっこう絡んでいたが?
「3試合で1点しか取っていないので、自分としてはガッカリしている。(本田とも)もっとチャンスで絡めればよかった。これで代表が終わるのは残念だけど、この3試合で出た課題を今度代表に戻ってきたときにまたやりたい」
―今までの2試合とは違うレベルの相手だったが?
「やっていて今日は楽しい90分だった。やりがいのあるサッカーができたし、あとは結果。勝ち切る強さをつけないといけない。攻撃の形はある程度、チームとしても個人としてもできたところはある。パスをつないでいくところでチャンスをつくれると思っていた。そこを仕留める切れれば」
―その中で自身の役割は?
「左サイドというポジションだけど、もっと自由にやっていく必要がある」
―勝ち点7という結果については?
「勝ち点9を狙っていたので、まして今日は勝つチャンスもあった。いいチャンスのときに2、3点取れるようにしないといけない。フィジカルの強い相手に勝てるチーム、個人をつくっていかないといけない。試合をやっていくごとに成長していると感じるが、代表は短い時間の中でつくり上げる難しさを感じている。もっとメンタルやチームの組織的なものをつくり上げていかないと。その中で責任を感じながらやっていかないといけない」
―移籍については?
「とりあえず、特に進展はないのですが、そういう話はしているし、しっかりした話を報告したいです。このあとの予定は未定です」

●FW岡崎慎司(シュツットガルト)
「まだまだ自分のレベルが足りない。落ち着きもちょっと足りなかったかなと思う」
―6月の3試合で1ゴールという結果は?
「自分が成長しないといけないと感じる3試合だった。惜しいで終わっているところで点を取れる選手になりたい。悔しい3試合の最後になった。ちょっと休んで、もう一回がんばれるきっかけになると思う」
―どのあたりが課題?
「落ち着きとか、ドリブルの感覚。スピードというより緩急だと思う。今日もそこまで悪いとは思わなかったけど、今までの相手とは違った」

●FW清武弘嗣(C大阪)
「パスを出して動いて、パスを出して動いてを繰り返したかった。途中から入ったら何かを残さないといけないし、短い時間でもしっかりやらないといけない。引き分けに終わって残念。自分がシュートを打ったシーンも、もっと視野が広ければ、(香川)真司くんもいましたし、(本田)圭佑くんもいたので」
―手応えは?
「勝つために入ったのに、それができなくて悔しい」
―オーストラリアは個の力も強かったが?
「高いけど、個人では負けていない」
―退場者が出たことで苦しくなった?
「自分が言えることじゃないので」
―この試合で感じた課題は?
「時間も少ないし、もっと出られるようにがんばりたい」

●MF本田圭佑(CSKAモスクワ)
「立ち上がりは相手の上手さもあって後手を踏んだ印象だけど、前半の途中から終盤にかけては僕らがチャンスをつくっていた。蹴ってくるのは想定内だったけど、セカンドボールへの反応の速さ、ファーストの競り合いの質の高さからチャンスを2、3回つくられた。そこは課題かなと思うけど、そこで失点しなかったのはよかった」
―相手が退場者を出したが?
「当然、10人になってからの方がよかったけど、もうちょっとというか、最後のところまで崩せてはいるけど、点を取るにはアイデアがなかった。サプライズみたいなプレーが足りなかったかなと思う」
―先制点のシーンは狙いどおり?
「ショートコーナーを相手が嫌がるのはビデオ分析でも知っていたし、監督にも言われていた。それが功を奏した。高さでは向こうに分がある。どう人数をかけて相手を翻弄するかが狙いだった。得点シーンはそれができた」
―結果は引き分けだったが?
「デカい相手が中を固めてきた場合、外で回しているだけでは崩れにくい。これも一つの課題になった。ハッキリ言えるのは、オーストラリアより僕らの方がいいサッカーをしていたということ。結果は引き分けになったけど、オーストラリアの選手も(ピッチコンディションなど)いい環境でやったらどうなるか分かったと思う。それを感じ取っていなかったら、アホか、秘策があるか、どっちか」
―どのあたりを改善していく?
「もっと得点に絡む部分を増やしたい。向こうがサプライズと思うようなプレーを、質も回数も増やしていく必要がある」

●MF長谷部誠(ボルフスブルク)
―1-1という結果については?
「勝ちたかったという気持ちが大きかったけど、これがアウェーゲーム。その中でも冷静にやっていたけど、ああいうPKになってしまったり。それと、立ち上がりの5分で2、3回、セカンドボールを拾われてピンチを招いた。セカンドボールが重要だという話は試合に入る前から十分話していたけど、それをやられてしまった」
―ケーヒルに手を焼いていたが?
「ヘディングが強いですよね。体を入れるのがうまいし、ジャンプ力がある。ロングボールを蹴られることでラインが下がってしまったし、ボランチもCBの少し前まで下がってしまった」
―攻撃面は?
「ゆっくりボールを回している中ではできていた。DFラインとボランチのところにスペースができるというのはスカウティングでも分かっていた」
―自身のプレーは?
「自分のプレーには納得できないですね。試合をやっていても、僕らボランチの得点能力が結果として低い。特に自分は攻撃のところでやらないといけないと思う」
―ジャッジも難しかった。
「スタジアムの雰囲気に審判も飲まれてしまっていましたね」

●MF遠藤保仁(G大阪)
「勝ち点3を取りたかったので満足はしていないけど、3試合で勝ち点7は最低限の結果かなと思う。下を向く必要はないし、いいスタートを切れたと思う。相手はロングボールが多かったけど、セカンドボールさえ気を付ければと思っていた」

●DF栗原勇蔵(横浜FM)
「点を取ったり退場したり、いろいろあって、勝てれば問題なかったけど、引き分けの結果に満足はしていない。退場して迷惑をかけたけど、そのあとみんなが守ってくれて感謝しています」
―ゴールシーンは?
「ほとんど(本田)圭佑の点数と言っていいぐらいのいいボールが来た。そこに詰めれたのはよかったし、大事なときに点が取れてよかった」
―2戦連発となったが?
「DFが点を取る機会はなかなかないし、たまたま2試合連続で取れてよかった」
―審判に苦しめられた?
「最初から分かっていたことだし、そういう審判にうまく対応しないといけなかった。なのに退場してしまって、そこに自分の甘さがある」
―2枚目のイエローカードをもらった場面は?
「ボールとは全然関係ないし、オフサイドだし、ファウルになってビックリした。そうしたらカードまで出て、2度ビックリした。それでも勝てれば全然よかったけど、点を取っても引き分けだし、課題の方が多かった」
―ケーヒルら相手の攻撃陣の印象は?
「強いのは分かっていたけど、思っていたより強くて、これが世界の選手だと実感した。だれと競っても高かった。苦労したけど、その苦しい時間を抑えられたのはよかった。相手が一人少なかったので、2点目、3点目を取りに行ければもっと楽だった。相手に合わせてしまって、逆に受けてしまった」
―相手は高さを生かすところと裏を狙うところを使い分けてきたが?
「高さでもやられたし、裏も結構取られた。もっと修正しないといけないし、もっともっと強いチーム、強い選手は世界にいる。自分自身、もっとレベルアップしないといけない」
―ラインを高く上げてもロングボールの出どころにプレスがかからないと厳しい?
「ただ(ラインを)上げるだけだと、ポンポン蹴られて裏を取られる。出どころをチェックしないといけないし、コンパクトにして前線の選手にチェックに行かせないといけない」

●DF今野泰幸(G大阪)
―昨日は熱が出たそうだが?
「体調は大丈夫でした。(試合後の)今も大丈夫です。昨日は39度まで上がったけど、今日は下がっていた。前日に練習していない不安はあったけど、普通にプレーできました」
―審判のジャッジが不安定だったが?
「確かに会場の雰囲気が難しかった。(日本が与えた)PKも、あれを取るのは厳しいと思う。触っていないんじゃないか」
―ピッチは?
「スパイクが泥だらけだった。難しかった」

●DF内田篤人(シャルケ)
―惜しいシュートもあったが?
「練習します。相手が10人になってからは向こうも逆にコンパクトになって、前に一人残してという感じで。サッカーではよくあるけど、10人になると難しいパターン。相手が固めている外側で回して、間にいいボールが入ればと思っていた」
―どこを狙っていた?
「本田さんと長谷部さんのところが空いていたので、無理に行かなくても間、間でやれればと思っていた。特にCBとボランチの間にいい形で入ればチャンスになるので」
―ハーフタイムの指示は?
「ハーフタイムはいつもどおり。CBの2人のイエローだけ気を付けろと」
―3連戦を終えたが?
「2勝1敗は悪くない」
―2勝1分だけど?
「2勝1分か。3勝が一番いいけど」
―PKを取られた場面は?
「PKになる前から2、3本、スタジアムが『PKじゃねえか』っていうどよめきがあって、審判も『取り戻さないと』っていう心境だったのかなと。サッカーではよくあること。気を付けようとは思っていたけど、あれで(ファウルを)取られたら……」
―悔しい?
「しょうがない。反省して、オフです」
―芝の状態は影響した?
「長谷部さんが1回(ミスが)あったけど、そんなには。横パスと低い位置(のパス回し)だけ注意した」
―次のホームでのイラク戦が出場停止になるが?
「アウェーでしょ? ホームなの? ホームのイラク戦? そうかー。ホームだったかー」
―長い期間、合宿できてよかった?
「合宿で徹底してやっていたので、早く浸透すると思っていた。それが初戦と2戦目に出た。監督自身、『スタートダッシュ』と言っていたし」
―3連戦で得たものは?
「3次予選は個人的にもうまくいかない部分が続いていたけど、長い合宿が効いたのか、右サイドの岡ちゃん(岡崎)とのコンビネーションがよくなった。俺が生きようとしたらダメだなって思って。岡ちゃんを生かそうとしたらうまくいった。僕が消えて、岡ちゃんを伸び伸びやらせる。岡崎慎司と香川真司と、シンジが2人いるけど、完全にタイプは逆。岡ちゃんは追っかけてくれるし、裏に行ってくれるのでお気に入りのタイプ。やっていくうちに、時間が解決する。もっともっとよくなると思う」
―3次予選にほとんどいなかった本田が戻ってきたのも大きい?
「タメができる、できないで全然違う。僕らが上がれるかは中盤ありきだし、その信頼感という意味では、あのポジションは本田さんが一番適任だと思う」

●DF酒井宏樹(柏)
「内田くんはパーフェクトに守備も攻撃もしていたし、ああいうプレーを見て、そのまま内田くんの役割をするのが自分の仕事だと思った。100%はできないけど。(長友)佑都くんが高い位置を取っていたので、自分はバランスを取るプレーが役割かなと思ってやっていた」
―攻撃参加は?
「最低限の上がり、サポートするくらいの上がりを考えていた。外から見ていたままの流れでプレーを続けたかったので、自分が乱すことは考えていなかった。途中から入るのは難しかった。それが自分に課せされた役割かなと思った」
―監督から信頼されていると感じた?
「1回裏を取られたシーンもあったし、ああいうところは自分から声を出していかないといけない」

●GK川島永嗣(リールス)
―後味の悪い試合だったが?
「アウェーの試合なので、どんなことが起こってもしょうがない試合。内容を見れば、自分たちのサッカーも要所要所で出せた。勝つことができれば最高だけど、アウェーでの勝ち点1を前向きに捉えていきたい」
―オーストラリアのサッカーに対抗できた?
「フィールド選手ががんばってくれたし、レベルの高い相手になって、自分もしっかり仕事をしないといけなかった。それができた場面もあった。(内田)篤人のためにPKを止めたかったけど……」
―相手はシンプルに放り込んできたが?
「オマーン戦、ヨルダン戦は自分たちがボールを保持する時間が長かったから、相手のカウンターを意識していたし、こういう相手になれば球際が大事。守備のところで意識するところは変わる。GKは試合によって役割が違う。ボールが来なくても、相手の1回のチャンスに集中力を高めないといけない試合もあるし、今日のような試合もある。自分の気持ちの状態は、この期間を通して、いい状態を保てていたと思う」

(取材・文 西山紘平、矢内由美子)

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